ドル円、米FOMC前のポジション調整主導で大幅下落。米金利低下に伴うドル売り圧力が重石に(1/30朝)

週明け29日(月)のドル円相場は冴えない動き。

ドル円、米FOMC前のポジション調整主導で大幅下落。米金利低下に伴うドル売り圧力が重石に(1/30朝)

米FOMC前のポジション調整主導で大幅下落。米金利低下に伴うドル売り圧力が重石に

〇ドル円、米国時間午後にかけ147.25まで下落
〇米FOMCを控えたポジション調整、米指標の軟調と米長期金利の急低下等が重石
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言に一時1.08割れまで下落するも1.08台前半に買い戻される
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上側で推移、強い買いシグナルも複数同時点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差が当面縮小しないとの見方の増加等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:146.75ー148.25

海外時間のレビュー

週明け29日(月)のドル円相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値148.34まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)本邦輸出企業の実需のドル売り(月末にかけてのドル売り圧力)や、(2)米FOMCを控えたポジション調整、(3)クロス円相場の冴えない動き(クロス円下落→ドル円連れ安)、(4)米1月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲27.4、予想▲11.0)の冴えない結果、(5)米財務省による第1四半期の借り入れ予想額の下方修正(結果7600億ドル、前回8160億ドル)、(6)米長期金利の急低下(米10年債利回りが1/17以来の低水準となる4.06%へ急低下)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値147.25まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/30午前6時10分現在)では、147.50前後で推移しております。

週明け29日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0850まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「ECBは今年のいかなる時点においても利下げを実施することがあり得る」とのハト派的な発言や、(2)ポルトガル中銀センテノ総裁による「インフレは持続的に低下している」「遅かれ早かれ利下げを開始するべきだが突然の動きは避けるべき」とのハト派的な発言、(3)スロバキア中銀カジミール総裁による「次の動きは利下げでありそれは手の届く範囲にある」とのハト派的な発言、(4)デギンドスECB副総裁による「ユーロ圏のインフレ動向に心強い進展が見られる」「ECBは遅かれ早かれ利下げする」とのハト派的な発言、(5)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力(ECBによる早期利下げ観測)が重石となり、米国時間正午にかけて、安値1.0796(昨年12/13以来の安値圏)まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間1/30午前6時10分現在)では、1.0830前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は重要イベント前のポジション調整主導で一時147.25まで下げ幅を広げましたが、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「フィボナッチ61.8%戻し」「EMAベースでの強気のパーフェクトオーダー」が成立している等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(続落余地は限定的)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測(先週末金曜日に発表された東京区部1月消費者物価指数は市場予想を大幅に下回る結果)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(3月FOMCでの利下げ織り込み度合は46%台へ低下)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差が当面縮小しないとの見方の増加→円キャリートレード継続期待)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(米FOMC通過後にドル円相場が上昇に転じるシナリオ)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米11月住宅価格指数や、米11月S&Pケースシラー住宅価格指数、米12月JOLT雇用動態調査、米1月コンファレンスボード消費者信頼感指数などが予定されておりますが、米FOMCや米雇用統計、GAFAM決算等を週央以降に控えていることもあり(重要イベントを控え、様子見ムードが強まり易い外部環境となっているため)、上下しつつも方向感を見出すには至らないと予想されます。

本日の予想レンジ:146.75ー148.25

注:ポイント要約は編集部

米FOMC前のポジション調整主導で大幅下落。米金利低下に伴うドル売り圧力が重石に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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