振れを伴いつつも147円台で底堅い動き。本日は日米のインフレ指標に注目
〇ドル円、米国時間に147.93まで上昇後147.09まで反落するも持ち直し147円台後半での推移
〇米主要株価指数の堅調推移、米3QGDP、新築住宅販売の好調がサポート
〇新規失業保険申請件数、耐久財受注、シカゴ連銀全米活動指数の不冴えは重石に
〇ユーロドル、ECB声明文等に利下げ示唆なく1.0901まで上昇後、総裁ハト派発言に1.08台前半に反落
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上側で推移、強い買いシグナルも複数同時点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大と円キャリートレードの継続期待が、ドル円をサポート
〇本日は日米のインフレ指標に要注目
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.25ー148.75
海外時間のレビュー
25日(木)のドル円相場は乱高下しつつも底堅さを維持。(1)5・10日要因に絡む実需のドル買い(公表相場決定にかけてのドル不足)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)日経平均株価の持ち直し(3営業日ぶり反発)、(4)米主要株価指数の堅調推移、(5)米10ー12月期GDP速報値(結果3.3%、予想2.0%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値147.93まで上昇しました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(6)米新規失業保険申請件数(結果21.4万件、予想20.0万件)の冴えない結果や、(7)米12月耐久財受注速報値(結果±0.0%、予想+1.5%)の市場予想を下回る結果、(8)米12月シカゴ連銀全米活動指数(結果▲0.15、予想+0.06)の市場予想を下回る結果が重石となり、日本時間23時過ぎに、安値147.09まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(9)米12月新築住宅販売件数(結果66.4万件、予想65.1万件)の市場予想を上回る結果や、(10)短期筋のショートカバー、(11)対ユーロでのドル買い圧力(ドル円連れ高)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間1/26午前6時00分現在)では、147.70前後まで持ち直す動きとなっております。
25日(木)のユーロドル相場は冴えない動き。(1)ECB理事会にて利下げ検討を示唆する文言が見られなかったこと(ECBは3会合連続で政策金利を据え置くと共に「金利は十分に長期間維持される必要がある」との言及あり)や、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0901まで上昇しました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)ラガルドECB総裁による「利下げ開始時期は夏の可能性が高い」「ユーロ圏経済は短期的な下振れリスクがある」「インフレはさらに鈍化すると予想」とのハト派的な発言や、(4)上記3を背景とした欧州債利回りの急低下、(5)欧州経済の先行き不透明感(欧州時間に発表されたドイツ1月IFO景況感指数は予想86.7に対して結果85.2と冴えない結果)、(6)一部通信社による「ECBはインフレ統計が改善すれば3月にも利下げ議論を開始する用意がある模様」とのハト派的な報道が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0821まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/26午前6時00分現在)では、1.0840前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は下落後に急伸するなど力強い動きが続いています。日足ローソク足が全てのテクニカルポイントの上側に位置していること(ダウンサイドにサポートポイントが複数並んでいること)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「フィボナッチ61.8%戻し」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測と、日銀によるマイナス金利解除後も金融緩和を続けるとの見方の組み合わせ)や、それに伴う円キャリートレードの継続期待(日米名目金利差は当面縮小しないとの見方が市場コンセンサス)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている東京区部1月消費者物価指数が市場予想を下回る場合や、米12月PCEデフレータが市場予想を上回る場合には、「日本のインフレ鈍化期待→日銀による金融緩和長期化観測→円売り」の経路と、「米国のインフレ懸念→米FRBによる利下げ開始時期の更なる後ずれ観測→ドル買い」の経路が組み合わさることで、ドル円がもう一段押し上げられる可能性もあるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(1/19に記録した高値148.82を試すシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:147.25ー148.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.05.04
来週の為替相場見通し:『ドル円は為替介入およびFOMCを経て急落するも続落余地は限定的か』(5/4朝)
ドル円は今週初に記録した約34年振り高値160.24をトップに反落に転じると、週末にかけて一時151.87まで急落するなど、週間値幅が8円を超える歴史的大相場となりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.05.03
ドル円 ドル高の調整進む、米雇用統計の内容注視(5/3夕)
アジア市場はドルが弱含み。寄り付きから一貫してのじり安で、一時は153円を割り込む局面も観測されていた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.05.03
FOMC結果のポイント:パウエル議長はややハト派、記者会見直後に日本当局は介入第2弾実施か(5/3)
米連邦準備制度理事会(FRB)は4月30日−5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利を下限5.25%、上限5.5%と6会合連続で据え置いた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.01.26
ドル円見通し 米GDP反応は限定的、147円台中心の揉み合い(24/1/26)
1月25日夜の米経済指標発表直後に147.90円を付けてから147.07円へ下落し、26日未明に147.90円まで戻したものの148円には届かず、26日午前序盤はやや下げている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.01.25
ドル円 来週米FOMCにらみ、再びレンジの様相も(1/25夕)
東京市場は揉み合い。147円後半を中心とした狭いレンジ内での一進一退に終始している。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。