ドル円、日米金利差拡大を材料に大幅続伸。一目均衡表の雲も一気に上方ブレイク(1/17朝)

16日(火)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、日米金利差拡大を材料に大幅続伸。一目均衡表の雲も一気に上方ブレイク(1/17朝)

ドル円、日米金利差拡大を材料に大幅続伸。一目均衡表の雲も一気に上方ブレイク

○ドル円、米国時間午後にかけて高値147.32まで急伸し年初来高値を更新
○米金利上昇や、ウォラーFRB理事の利下げに対する慎重発言などが支援材料
○ユーロドルは冴えない動き、欧州株の軟調な動きなどが重石となり、米国時間午後に1.0863まで急落
○ドル円、「三役好転」成立、フィボナッチ半値戻しを明確に突破するなど地合いは「極めて強い」と判断
○ファンダメンタルズも、FRBの利下げ開始の後ずれ観測など、ドル高・円安トレンド連想の材料が揃う
○引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:146.50ー148.50

海外時間のレビュー

16日(火)のドル円相場は堅調な値動き。(1)本邦12月国内企業物価指数(結果±0.0%、予想▲0.3%)の市場予想を上回る結果や、(2)上記1を背景とした本邦10年債利回りの反転上昇、(3)日経平均株価の冴えない動きが重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値145.59まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力(対主要通貨でドル全面高)や、(5)直近高値(1/11に記録した年初来高値146.43)突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り、(6)日経平均夜間先物の堅調推移、(7)ウォラーFRB理事による「以前ほど迅速に利下げを行う必要はない」「利下げを開始した場合でも秩序だって行うべき」との慎重な発言が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値147.32まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/17午前4時45分現在)では、147.25前後で推移しております。尚、昨日発表された米1月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果▲43.7、予想▲5.0)は市場予想を大幅に下回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。

16日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間早朝にかけて、高値1.0954まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが4.00%の大台回復→対主要通貨でドル全面高)や、(2)欧州株の冴えない動き、(3)心理的節目1.0900を割り込んだことに伴う仕掛け的なユーロ売り・ドル買い、(4)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「我々の次の行動は利下げ」「金利は現在の水準より高くなるべきではない」とのハト派的な発言、(5)ECB月次調査による1年先インフレ期待(結果3.2%、前回4.0%)および、3年先インフレ期待(結果2.2%、前回2.5%)の急低下、(6)ウォラーFRB理事による「以前ほど迅速に利下げを行う必要はない」「利下げを開始した場合でも秩序だって行うべき」との慎重な発言が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0863まで急落しました。

引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/17午前4時45分現在)では、1.0872前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ1月ZEW景況感指数(結果15.2、予想11.8)は市場予想を大幅に上回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時147.32まで急伸するなど、年初来高値を更新しました。日足ローソク足が一目均衡表雲上限の上方ブレイクに成功したことや、強い買いシグナルを示唆する「三役好転」が成立したこと、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ半値戻し(146.08)を明確に突破したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。向こう数日以内には、21日移動平均線と200日移動平均線のゴールデンクロスや、日足ローソク足が90日移動平均線突破も見込まれることから、ドル円相場の地合いは今後もう一段強まるシナリオが想定されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀によるマイナス金利解除時期の後ずれ観測や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(3月FOMCでの25bp利下げ確率が前日の76.9%から65.2%へ急低下)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に伴う円キャリートレードの継続期待→円売り安心感)、(4)新NISA開始に伴う本邦個人投資家による潜在的なドル買い・円売り需要(米株投資を行うための外貨転需要)など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。

尚、本日は米12月小売売上高(22:30)や、米12月輸出入物価指数(22:30)、米12月鉱工業生産(23:15)、米12月設備稼働率(23:15)、米1月NAHB住宅市場指数(24:00)、米20年債入札(03:00)、米地区連銀経済報告(04:00)に加えて、バーFRB副議長講演(23:00)や、ボウマンFRB理事講演(23:00)、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁講演(05:00)など重要イベント目白押しの1日となるため、海外時間帯のボラティリティ急拡大リスク(特にドル円のアップサイド)に警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:146.50ー148.50

ドル円、日米金利差拡大を材料に大幅続伸。一目均衡表の雲も一気に上方ブレイク

ドル円日足

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