東京市場のドルは一時145円割れ、ドルの上値重く145円台前半水準でのもみ合いか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米国10年債利回りが4.0%台を割り込んだままだったことなどからドルは下落した。
昨晩の海外時間では、米12月消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を上回ったほか、新規失業保険申請件数が予想を下回り労働市場の底堅さが確認され早期の米利下げ観測後退で米金利上昇に伴うドル買いが加速した。その後、30年債入札の堅調な結果を受けて金利が再び低下に転じるとドル買いは後退した。146円台を維持することはできなかった。
東京時間では、株式市場で日本株が引き続き強かったものの、上値が重くなったことから、リスク選好のドル買いは強まらず。時間外の米国10年債利回りが3.9%台で推移していたことから、ドルは一時145円台を割り込んだ。ただ、日銀が24年度物価見通しを2.5%前後に下方修正する公算が大きいという関係者の話が伝わったこともあり、ドルはやや値を戻し145円台前半で東京時間の取引を終えた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:145円35銭
高値:145円41銭
安値:144円84銭
終値:145円25銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円47銭
高値:159円57銭
安値:159円02銭
終値:159円42銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円19銭
高値:97円45銭
安値:97円04銭
終値:97円27銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:185円50銭
高値:185円67銭
安値:185円06銭
終値:185円53銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:35601円65銭
高値:35839円65銭
安値:35362円24銭
終値:35577円11銭(前日比+527円25銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、欧、レーンECBチーフエコノミストが講演
22時30分、米、12月生産者物価指数(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.1%
22時30分、米、12月生産者物価指数(コア)(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.2%
22時30分、米、12月生産者物価指数(前年比)、前回:0.9%、市場予想:1.3%
22時30分、米、12月生産者物価指数(コア)(前年比)、前回:2.0%、市場予想:2.0%
24時00分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が年次会議に出席
13日(土)、台湾総統選挙・立法院選挙
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、年末年始のドル買いを受けて、一目均衡表では、遅行スパンが実線に接近。雲下限が146円台前半まで下がってくることで、自然体で雲への突入を果たす可能性もあり、モメンタムは徐々に改善しつつある。
5日の海外時間で残した長い上影(上ヒゲ)は、昨日の海外時間で吸収したが、やや長い上影が新たに残っている。また、50日移動平均線にも跳ね返された状況のため、上値の重さが意識されよう。
昨年高値の151円95銭(11月13日)を起点とした上値抵抗線は、1月に入って明確に上放れていることから、足元140円割れなどを警戒した雰囲気は感じられない。
足元のドル買いは、日本株市場の強い動きも大きく影響していたと推測する。今週の日経平均は、先週末比で2000円ほど上昇していたことから、東京時間はリスク選好のドル買いが強まりやすかったとの声も聞かれた。
本日の日本株市場では、日経平均はバブル後の高値を更新したが、プライム市場全体の6割は下落するなど歪な上昇となっており、短期的な過熱感を警戒する声は多い。足元のドル買い要因の一つである日本株の上昇が一服となれば、週明けの東京時間のドルはじり安を想定しておいた方がいいだろう。
米国時間は米10年債利回り、東京時間は日本株の動向をそれぞれ警戒したい。今晩の海外時間では、経済指標や要人発言をにらんだ展開となるが、ドルの上値が重くなっていることから、145円台前半から半ばでのもみ合いを想定する。今晩の上値メドは145円60銭、下値メドは144円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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