狭いレンジ内での方向感に欠ける値動きが継続。本日は日銀会合の「主な意見」に注目
〇ドル円、株価の堅調、米指標の好調に米国時間に142.63まで上昇
〇ユーロドル、米住宅価格指数の伸び率鈍化等に1.10台前半で堅調推移
〇ドル円、市場参加者の減少に方向感に欠ける動き続くも、本日より欧州勢も戻る
〇本日発表の日銀金融政策決定会合の「主な意見」で出口に向け踏み込んだ議論見られれば強い下押しも
〇引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:141.50ー143.00
海外時間のレビュー
26日(火)のドル円相場は方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、安値142.09まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日経平均株価の堅調推移や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)短期筋のショートカバー、(4)米主要株価指数の堅調推移、(5)米11月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.03、予想▲0.66)の市場予想を上回る結果、(6)米12月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲9.3、予想▲17.0)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値142.63まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間12/27午前5時50分現在)では、142.43前後で推移しております。
26日(火)のユーロドル相場はボクシングデー(欧州休場)にも係わらず堅調な値動き。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となる中、米国時間朝方にかけて、安値1.1008まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)米10月FHFA住宅価格指数(結果+0.3%、予想+0.5%)の伸び率鈍化や、(3)欧米金融政策の方向性の違い、(4)直近高値突破に伴う仕掛け的なユーロ買い・ドル売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1045(8/10以来、約4ヵ月半ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/27午前5時50分現在)では、1.1041前後で推移しております。
本日の見通し
市場参加者が減少する中、ドル円は狭いレンジ内での方向感に欠ける値動きが続いています。但し、日足ローソク足が主要テクニカルポイントの下側で推移していることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、リスクは依然ダウンサイドと判断できます。特に本日よりクリスマス休暇明け(ボクシングデー明け)で欧州勢も戻ってくるため、海外時間帯のボラティリティ拡大と、ダウンサイドへの下抜けリスクが警戒されます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによる早期利下げ観測の高まり(CMEが提供するFed Watch ツールによると、来年3/20FOMCでの25bp利下げ確率は72.7%)や、日銀による金融緩和の修正観測(植田日銀総裁は12/25に「2%物価目標実現の確度は少しずつ高まっている」「2%目標実現の確度が十分に高まれば日本でも金融政策の変更を検討していく」と発言)など、ドル売り・円買い(日米金利差縮小に伴う円キャリートレードの解消)を連想させる材料が揃っています。本日8:50に予定されている日銀金融政策決定会合の「主な意見」で出口に向けた踏み込んだ議論が見られれば、日銀によるマイナス金利解除観測再燃→円金利上昇→円買い再開の経路で、ドル円に強い下押し圧力が加わる恐れもあるため、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は上記以外に、米12月リッチモンド連銀製造業指数や、米5年債入札が予定されております。
本日の予想レンジ:141.50ー143.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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