米雇用統計発表前だがドル下値リスク急拡大(12/7夕)

米雇用統計発表前だがドル下値リスク急拡大

米雇用統計発表前だがドル下値リスク急拡大(12/7夕)

米雇用統計発表前だがドル下値リスク急拡大

〇本日ドル円、「寄り付き高・大引け安」で夕方に掛けて下値を拡大、一時146.15レベルつける
〇日銀総裁発言、日経平均株価の大幅下落などが嫌気され、リスク回避の動きにつながった模様
〇短期的には売られ過ぎの域だが、基本的なリスクはドル安方向にバイアスか
〇7月安値137.25を起点としたフィボナッチでは、次のターゲットは半値戻しの144.60
〇明日の米雇用統計発表を控え、引き続き雇用を中心とした米経済指標の発表に要注意
〇予想レンジは145.40-146.80、ドル高・円安方向は147円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、9/11安値145.91をめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場はドルが弱含み。終盤にかけて下げ足を速め、4日安値146.24円を一時割り込む局面も観測されていた。

ドル/円は寄り付いた147.30円前後を日中高値にドルは冴えない。終わってみれば「寄り付き高・大引け安」で、夕方に掛けて下値を拡大させている。前述した日中高値から1円以上も値を下げ、一時146.15円レベルも。途中で植田日銀総裁の発言が伝えられるなか、日経平均株価がザラ場ベースで600円を超える下落をたどったことなどが嫌気され、リスク回避の動きに繋がっていたとの指摘も聞かれていた。16時現在では、そのままドルの安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「欧米金融政策」について。
前者は、米中外相が電話会談を行い中東問題などについて協議したと伝えられるなか、EUのミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長が7日、中国の習国家主席と北京で会談するとして金融市場で思惑を呼んでいた。しかし、ロイターが「イタリア政府は中国に対し、『一帯一路』」からの離脱を正式に通知」と報じたほか、ムーディーズが中国の国債見通しを前日に引き下げたことに続き、本日は同国地方政府の資金調達会社である融資平台(LGFV)26社の格付け見通しを引き下げたと発表するなど、国内経済の悪化がさらに拡大しつつあるようだ。

対して後者は、週末に発表される米雇用統計の露払い的な位置づけを担っていた5日のJOLT雇用動態調査、そして昨日はADP雇用統計が予想よりも悪化。米利上げ打ち止め観測がさらに強まる格好となり、為替市場では連日のドル売り要因となった。一方、欧州は5日にシュナーベルECB専務理事から「追加利上げの可能性低い」発言が波乱要因になったことに続き、昨6日にもスロバキア中銀総裁が「ECBによる追加利上げの可能性はない」、フランス中銀総裁も「利下げに絡む議論は24年に浮上してくる可能性がある」とコメントするなど弱気発言が相次いでいたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は米雇用統計の発表にらみで目先小動き−−を見込んでいたのだが、予想以上に本日東京でドル安が進展している。4日安値146.24円を一時割り込む局面も観測されていた。さすがに短期的には売られ過ぎの域に入っているものの、基本的なリスクはドル安方向にバイアスか。9月11日安値145.91円を下回ると、フィボナッチなどの観点からは145円割れも想定する必要がありそうだ。
引き続き日米欧の金融政策にまずは注目。前述したように、欧米ともに早期の利下げはともかく、今後の利上げはほぼ困難といった見方が大勢を占めつつあるようで、実際ブルームバーグでは欧州について「トレーダー、来年1.5%の利下げを完全に織り込む」などと報じていたほどだ。したがって、ドルとユーロともに目先はやや売られやすい状況と言わざるを得ない。米国は週末の雇用統計発表を控えているものの、本日も雇用関連指標が発表されることから、内容如何では予断を許さないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は移動平均や一目均衡表の先行帯の雲などが上値を抑制するなか、逆に下値を試す展開。4日安値146.24円を割り込むレベルまで下落している。以前にもレポートした7月安値137.25円を起点としたフィボナッチでは、上昇幅の38.2%戻しが146.30-35円。つまり、これまではギリギリ誤差の範囲内にとどまっていたが、それを本日東京でしっかり下回っており、次のターゲットは半値戻しの144.60円となる。一足飛びに到達するとは思わないが、ドルの下値余地が広がったことは間違いなさそうだ。

本日は米経済指標として、11月のチャレンジャーレイオフ調査や、週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。5日、6日と連日で発表された米雇用データが悪化し、為替市場におけるドル売り要因に。明日の米雇用統計発表を控え、引き続き雇用を中心とした米経済指標の発表には十分に注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.40-146.80円。ドル高・円安方向は147円レベルが最初の抵抗で、上抜けると147円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、9月11日安値145.91円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと145円前半そして145円が意識されそうだ。フィボナッチでは144円台もあり得るかもしれない。

米雇用統計発表前だがドル下値リスク急拡大

ドル円日足


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