東京市場のドルは151円台推移、為替介入意識は高く乱高下の可能性は継続
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、151円台を回復したことから為替介入警戒が意識されて、小動きとなった。
昨晩の海外時間では、米10月生産者物価指数(PPI)の伸びが予想以上に鈍化した。一方、米小売売上高が警戒されたほど悪化しなかったほか、NY連銀製造業景気指数も市場予想を上回ったことから、米10年債利回りが4.55%まで上昇。ドルは151円台を回復した。
東京時間では、151円台に入ったことに伴い政府・日銀による為替介入警戒が改めて意識されて、積極的なドル買いは一服。時間外では、米10年債利回りの反発も一巡。米消費者物価指数(CPI)後の下げに対する戻りは7割ほどに留まっており、「おっかなびっくり」の地合いは継続している様子だ。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:151円28銭
高値:151円38銭
安値:151円12銭
終値:151円30銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円13銭
高値:164円20銭
安値:163円84銭
終値:163円98銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:98円47銭
高値:98円57銭
安値:97円75銭
終値:97円99銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:187円86銭
高値:187円92銭
安値:187円31銭
終値:187円55銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33399円59銭
高値:33614円13銭
安値:33233円84銭
終値:33424円41銭(前日比−95円29銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁が講演
20時30分、欧、ラガルドECB総裁が欧州システミックリスク理事会にて開会挨拶
20時45分、欧、クノット・オランダ中銀総裁が欧州システミックリスク理事会で講演
21時10分、米、バーFRB副議長が欧州システミックリスク理事会の討論会に出席
22時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:21.7万件、市場予想:21.9万件
22時30分、米、フィラデルフィア連銀景況指数、前回:−9.0、市場予想:−11.5
23時15分、米、鉱工業生産指数(前月比)、前回:0.3%、市場予想:−0.3%
23時15分、米、設備稼働率、前回:79.7%、市場予想:79.5%
23時25分、米、ウィリアムズNY連銀総裁が2023年金融市場会議で講演
25時45分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演
26時00分、米、クックFRB理事が講演
27時30分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁がCNBCに出演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いままである。ボリンジャーバンドの2σに沿ったじりじりとしたドル買いが続いていたが、足元、ドルの上値は重くなっている。
米経済指標に米10年債利回りが振り回されているが、欧州通貨を中心とした円全面安も気にしたい状況だ。ユーロは連日で2008年以来の水準を更新しているほか、スイスフランはデータとして残っている1982年以降の高値を更新している。
ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は、10日に「利下げへの転換は数四半期ない」との認識を示している。欧州経済は、インフレと同時に景気が悪化する「スタグフレーション」への警戒が高まっていたが、足元の原油相場の落ち着きなどエネルギー価格の低下を受けて、インフレは鈍化傾向にある。欧州経済への懸念は払しょくされていないものの、現実的な日欧金利差に着目した円キャリートレードの流れに乗った感じだ。
ドルは経済指標と長期金利に一喜一憂となっているが、円全面安がドルの下支えとなっている。仮にCPIが想定通りか市場予想を上回るような数字だった場合、「ドルは152円台到達で、為替介入発動に伴い乱高下」という状況だっただろう。
今晩の海外時間でもフィラデルフィア連銀景況指数、米鉱工業生産指数など重要な発表が控えている。金融当局者による講演なども多数予定されていることから、今年の高値151円95銭、昨年10月の高値151円96銭、そして、152円という水準を見据えた動きが入る可能性は十分ある。そうなった場合は、海外時間でも政府・日銀による為替介入が実施される公算が大きい。乱高下の可能性は今晩もある。上値メドは152円20銭、下値メドは147円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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