基本は150-151円台で次の方向性探る
〇本日ドル円、上値重く上げ渋り、下値も堅く151円を割り込む展開はなく、151.10-40のレンジ取引
〇米CPI、PPIともに予想下回るも、小売高、NY連銀製造業景況指数良好で影響相殺される
〇152円以上は近くて遠いイメージ、150-151円台の揉み合いで次の方向性を探る展開続きそう
〇本日は米フィラデルフィア連銀景況指数や10月鉱工業生産等の発表に注目
〇予想レンジは150.70-151.80、ドル高・円安方向は昨日高値151.42が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、東京安値の151.10-15や150.80レベルなどの攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は保ち合い。151円前半における一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。
ドル/円は151.35-40円で寄り付いたものの、上値は重く上げ渋り。しかし、下値も堅く151円を割り込むような展開にもならなかった。151.10-40円といったレンジ取引。途中、開催された米中首脳会談の内容などが通信社報道で伝えられるも、目立った影響はなし。16時現在151.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、オセアニア通貨が弱含み。豪ドル/円は日中高値98.70円レベルから、一時1円程度下落する局面も。それほど悪化した感はなかったが、発表された豪雇用統計の内容を売り要因として挙げる声も聞かれていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米中首脳会談」と「米金融政策」について。
前者は、オースティン米国防長官とフィリピンのテオドロ国防相が、インドネシアで会談し、中国の補給船団妨害を非難する声明が発表されるなか、米国ではおよそ1年ぶりとなる米中首脳会談が開催された。中国の習国家主席がバイデン氏に「米中関係は世界で最重要」と述べるなど和やかムードで進み、バイデン氏からも対面後に「確かな進展」とした成果を強調するコメントが。しかし、その一方で習主席はバイデン氏に対し、台湾との平和的な統一を望んでいると述べたうえで、武力を行使する可能性のある条件についても言及。反面、バイデン氏も「習氏が事実上の独裁者という見方は変わっていない」と述べるなど、微妙なしこりは残す結果となったようだ。
対して後者は、一昨日の米消費者物価に続き、昨日発表された生産者物価も予想を下回る内容に。そうした意味では、もう少しドル売りが進んでも不思議はなかったが、同時に発表された小売売上高やNY連銀製造業景況指数は逆に予想を上回ったことで、影響は相殺されていた。なお、先の米生産者物価などを受け、サンフランシスコ連銀総裁からは「データは一段のインフレ減速を示唆している」とした弱気なコメントが発せられていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日一時150円割れをうかがう150.05円まで下押しが入るも終わってみれば151円台。そして本日東京も151円台での推移となった。一昨日安値が150.16円、そして昨日が150.05円と2日続けて150円割れが失敗に終わったようだ。しかし、一方でドルの上値も重そうで152円以上は近くて遠いイメージも。結果150-151円台の揉み合い、次の方向性を探る展開が続きそうだ。
市場は引き続き日米欧の金融政策会合に注目で、本日もまずは発表される米経済指標そして米通貨当局者などの発言に一喜一憂する展開か。しかし、ドルの足かせ要因となっていた米政府機関の閉鎖懸念は、米下院に続き上院でもいわゆる「つなぎ予算案」が可決されたことでさらに後退。あとはバイデン氏の署名のみで、今回もギリギリの日程ながらなんとか回避される見通しだ。ドルにとって、むしろ支援要因となる可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場の152円突破が再び失敗に終わり、上値トライが仕切り直しになった反面、前記したように150円割れというドル底割れも失敗に終わった感がある。したがって、しばらくは居心地の良さそうな150-151円台を中心とした一進一退をたどる公算が大きい。
問題は次の一手だが、中長期リスクは依然としてドル高方向にバイアスが掛かるとみられるだけに、ドルの再上昇に要注意かもしれない。
本日は米経済指標として、11月のフィラデルフィア連銀景況指数や10月の鉱工業生産などが発表される予定となっている。また米地区連銀総裁らの発言機会も少なくないうえ、前述した日中首脳会談のほか日韓首脳会談も実施される見通しだ。それらも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.70-151.80円。ドル高・円安方向は本日東京も近いところで止まった昨日高値151.42円が最初の抵抗。超えれば13日高値151.92円も視界内に。
対するドル安・円高方向は、東京安値の151.10-15円や150.80円レベルなどの攻防に注目。ただし、仮に下回っても150円半ば近くまでレベルを切り上げてきた移動平均の21日線では下げ止まりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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