米消費者物価を注視、予想外の数値発表もあるか
〇本日のドル円、151.70レベルで寄り付き、寄り付きを中心とした上下10ポイント程度のほぼ横這い推移
〇ドル円は欧米時間に151.92をつけ、昨年高値151.94に面合わせし152円台乗せも現実的なターゲットに
〇しかし介入警戒感が強いこともまた確かで、152円台に乗せてもしっかりと定着することは難しいか
〇本日発表される米消費者物価指数にまずは注目、予想外の数値となる可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジは151.10-152.10、ドル高・円安方向は152円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値151.20の攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場でドルは高原推移。151円後半、非常に狭いレンジ取引に終始している。
ドル/円は151.70円レベルで寄り付いたものの、動意らしい動意はほぼうかがえず。寄り付きを中心とした上下10ポイント程度と、ほぼ横這い推移にとどまった。なお、そうしたなかレベルがレベルだけに、鈴木財務相から「為替はファンダメンタルズを反映することが重要」とした口先介入も聞かれている。16時現在、ドル/円は151.70-75円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「欧州情勢」と「国際会合」について。
前者は、幾つかの欧州情勢が話題を集める結果に。まずは、ブルームバーグが現段階ですでに投資適格級としては、もっとも低い「Baa3」に格付けされているイタリアが「ジャンク級に格下げの可能性も」と報じ物議を醸す。そうしたなか、スナク英首相が元首相であるキャメロン氏を「新外相に指名」したことが明らかになり、こちらはポジティブサプライズといった感もあった。なお、キャメロン新外相は早速ブリンケン米国務長官と電話会談し、中東情勢などを協議したという。また、動静が注視されていたスペインのサンチェス首相の信任投票だが、16日に実施されることになり、さらに続投見通しが立ったなどと伝えられている。
対して後者は、日米韓、インド、豪州など14ヵ国が参加する新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合が米サンフランシスコで開幕したが、初日終了後に西村経産相から「貿易分野全体として実質妥結に至らなかった」との発言が聞かれていた。一方、岸田首相が15-19日に開催されるAPEC首脳会議へと出席することが松野官房長官から正式に発表されたものの、同会議とあわせた日中首脳会談の開催については「現時点で何ら決まっていない」とけむに巻いたような発言にとどまり、具体的な言及は見送られている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日欧米時間にさらに値を上げ、一時151.92円。昨年高値151.94円に面合わせした格好で、152円台乗せも現実的なターゲットとして意識されていることは間違いない。しかし、その欧米時間に151円後半から151円前半へ、短時間に70ポイントほど振り落とされるという事件が発生するなど、当局の円買い介入警戒感が強いこともまた確か。仮に152円台に乗せたとしても、一度で「しっかり定着」することは難しそうだ。
日米欧の金融政策会合をにらみつつ、市場では日米などの金利差を背景にした円売り安心感が非常に強い。そうしたなか、本日はNY時間に発表される米消費者物価指数にまずは注目だ。ただし、その米消費者物価指数だが、ブルームバーグによると「10月から医療保険料の算出方法が変更され、短期的には総合CPIに上昇圧力をかけると広く予想されている」という。予想外の数値となる可能性も否定できないようで、十二分に注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は昨日年初来高値を更新。そしてさらなる上値トライが予想されているものの、先で指摘したように152円を前に一度失速した感を否めず、ドルの上値トライは再び仕切り直しか。とは言え、円買いの実弾介入でもなければ大きく崩れることは予想しにくく、短期的には151円割れでさえ果たしてあり得るのだろうか。150円前半に位置する移動平均の21日線も、少し遠い存在になりつつあるか。
本日は米経済指標として、10月の消費者物価指数などが発表される予定となっている。内容次第ではドル買いなど、為替市場の波乱要因となりかねないだろう。また、米地区連銀総裁らの発言機会も幾つか予定されており、そちらも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.10-152.10円。ドル高・円安方向は昨日高値151.92円を含めた152円レベルが最初の抵抗。しっかり抜ければ、一時的な青天井もありうるか。
対するドル安・円高方向は、昨日安値151.20円の攻防にまずは注目。ただし、下回っても取り敢えずは底堅いと考える。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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