東京市場のドルは150円台半ばでのもみ合い、要人発言では動けない地合いか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、材料難で様子見ムードが強い地合いとなり、150円台半ばでのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が「米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレを制御する仕事は終わっておらず、必要なら追加利上げも辞さない」とタカ派な姿勢を示したことから、ドルがやや優勢となった。ただ、米10年債利回りは4.5%台とむしろ低下したことから、積極的な買いは手控えられた。
東京時間も様子見ムードは強く、ドルは上下30銭と狭い値幅となった。一日を通して、衆院財務金融委員会での植田日銀総裁による「物価見通しに誤りがあったことは認めざるをえない」「物価高が長く続くとは考えていない」といったコメントが流れたが、為替市場への影響は限定的だった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円36銭
高値:150円65銭
安値:150円35銭
終値:150円65銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:160円87銭
高値:161円00銭
安値:160円82銭
終値:160円98銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円77銭
高値:97円03銭
安値:96円66銭
終値:96円88銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:184円94銭
高値:185円04銭
安値:184円78銭
終値:184円92銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32457円23銭
高値:32512円17銭
安値:32049円34銭
終値:32166円48銭(前日比−105円34銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時00分、欧、ユーロ圏小売売上高(前月比)、前回:−1.2%、市場予想:−0.3%
19時00分、欧、ユーロ圏小売売上高(前年比)、前回:−2.1%、市場予想:−3.2%
19時15分、米、クックFRB理事が講演
20時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁が講演
22時00分、欧、ドラギ元イタリア首相がインタビューに応じる
23時15分、米、パウエルFRB議長が挨拶
24時00分、米、卸売在庫(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.0%
27時40分、米、ウィリアムズNY連銀総裁が講演
28時00分、米、バーFRB副議長が会議出席
30時45分、米、ジェファーソンFRB副議長が挨拶
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いままである。ただ、ドルの上値が重くなっていることから、遅行スパンと実線の差は縮まっており勢いは弱まっている。
10月31日の日銀金融政策決定会合後、ボリンジャーバンドの+2σを上抜ける場面が見られたものの、一週間単位でみると「往って来い」の形状となった。20日移動平均線(MA)は上回っているが、20MAも傾きが鈍化しており方向感に乏しい。
昨晩のカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のハト派姿勢期待をけん制する発言があったものの、米債券市場では、7日の3年国債入札で堅調な入札状況が確認できたことから、8日の10年債、9日の30年債の各入札への需要懸念が後退。この需要懸念後退が、昨晩の10年債利回り低下の要因と目されている。米利回り低下を受けて、米株式市場ではS&P500が7営業日続伸と株高が続いている
日米の10年国債で見る日米金利差は3.76%と縮小傾向が続いている。一方、ドルは150円でのしっかりとした推移を引き続き見せており、149円台を試すにはそれなりに材料が必要だ。同時に、151円台を試すのも材料が必要だ。カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のコメントでもドルの上値が重かったことを考慮すると、為替市場は要人発言よりも経済指標を重視しているようだ。
となると、米経済指標の発表がほぼ予定されていない今晩のドルは、150円台半ばでのもみ合いを想定しておくべきか。念のため東京時間の23時台にパウエルFRB議長の挨拶が控えていることから、その時間帯にドルが動かなければ、その後は小動きとなろう。今晩の上値メドは150円90銭、下値メドは150円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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