米雇用統計注目、ドル高の調整続くか正念場(11/3夕)

3日のアジア市場はドルが小安い。

米雇用統計注目、ドル高の調整続くか正念場(11/3夕)

米雇用統計注目、ドル高の調整続くか正念場

〇ドル円、150.25レベルまで小幅安。東京休場で値幅限られる
〇ドル高基調の中での上げ渋り、基調転換確認には148円割れが必要か
〇本日、10月米雇用統計や同ISM非製造業総合指数など重要指標発表予定
〇ドル円予想レンジは149.50-151.00

<< アジア市場の動き >>

3日のアジア市場はドルが小安い。東京休場もあって値動きが限られるなか、ややドル売りが目に付いた。

ドル/円は150.45円レベルで寄り付いたのち、日中高値の150.50-55円を示現。しかしドル高傾向は続かず、そののち夕方に掛けては緩やかな下降をたどっている。150.25円レベルまで一時下落し、16時現在でもそのまま安値圏で推移、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、発表された豪7-9月期小売売上高などの経済指標を受け、豪ドルが動意の兆しをうかがわせるも結局不発に。

一方、材料的に注視されていたものは「英金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、先日までに実施された日米欧に続き昨日は英国の政策金利が発表されている。結果は事前予想通りの「据え置き」。しかし、「追加利上げは必要になるかどうか注視を続ける」、「インフレが一層持続的であれば追加利上げが必要」−−といったフレーズに見られるように内容的には強気を維持していたようだ。また、その後も英中銀総裁から「10月のインフレ率は5%弱になると見込む」との発言が聞かれていたという。そのため、ポンドは対円などで一時買い進められる局面も。

対して後者は、中国外務省が、米中両政府が来週、米ワシントンで軍備管理や核兵器を含む大量破壊兵器の不拡散をめぐり協議すると明らかにした。また、それとは別に中国の解気候変動問題担当特使が4-7日に米カリフォルニア州でケリー米大統領特使(気候変動問題担当)と会談するとも発表されている。ここのところ米中要人による接触が相次ぎ、関係改善への期待も高まる反面、台湾への軍事圧力を強める中国を牽制する目的で、米加艦が台湾海峡を通過するといった軍事行動も別に観測されていた。一足飛びでの改善というのはやはり難しいものがあるようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は引き続きドル高基調にあるものの、ここ数日は上げ渋り。むしろ昨日は一時150円割れを示現するなど、目先高値から2円近い下落を記録している。7月14日に示現した安値137.25円以降の展開はというと、ドル下落がおおよそ2-3円で底入れすることが多く、最大でも4円程度。つまり、それからすると昨日の150円割れでドルは目先のボトムを付けた可能性もゼロではない。ただし目先高値から4円以上、すなわち148円をしっかり割り込んでくるようだと基調転換を考える必要がありそうだ。

市場で注目されていた日米欧、そして昨日英国の金融政策がいずれも発表され、すべてが「金利据え置き」だった。そうしたなか、本日は今週最後を飾る材料として、10月の雇用統計や同ISM非製造業総合指数などの米重要指標が発表される予定となっている。ちなみに、前者のなかでももっとも関心の高い非農業部門雇用者数はプラス18万人、失業率は3.8%程度が見込まれているが、先行して発表されたADP雇用統計などは予想よりも悪化しており、そちらサイドのリスクは幾分織り込まれている感も。逆に好数字になった場合の方がポジティブサプライズ、インパクトは大きいのかもしれない。その後発表されるISM非製造業総合指数も数字如何では波乱要因になりかねないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本リスクは依然としてドル高方向ながら、基調転換に向けた正念場。7月末に上回って以来、ほぼ下回っていない移動平均の21日線が149.70円台まで上昇するなか、ここ最近はザラ場ベースで下回ることも少なくない。まだ「しっかり」とは割り込んでいないものの、これを明確に下回ってしまうと来週にかけてドルはさらなる深押しが入っても不思議はなさそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.50-151.00円。ドル高・円安方向は本日アジア高値を含めた150.60円レベルが最初の抵抗。上抜けると再び151円乗せを目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日安値149.85円の攻防にまずは注目。その少し下には21日線も位置しており、底堅そうだが果たして。

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