ドル円、心理的節目150.00を試す展開。米10年債利回りは2007年7月以来の高水準へ(10/19朝)

18日(水)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、心理的節目150.00を試す展開。米10年債利回りは2007年7月以来の高水準へ(10/19朝)

心理的節目150.00を試す展開。米10年債利回りは2007年7月以来の高水準へ

〇ドル円、米金利上昇に伴うドル買い圧力に米国時間午後にかけ高値149.98まで急伸
〇ユーロドル、欧州朝方1.0595まで上昇後、株価軟調、米金利上昇に一時1.0523まで反落
〇ドル円、押し目待ちに押し目無しの典型的なチャートパターン、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの継続期待がサポート
〇150円接近で介入警戒されるも、このタイミングで実弾介入に踏み切ることは容易では無いか
〇年初来高値150.16を突破し、昨年高値151.95に向かって上値を伸ばすシナリオを想定
〇本日の予想レンジ:149.25ー150.75

海外時間のレビュー

18日(水)のドル円相場は堅調な値動き。日本時間正午にかけて、安値149.50まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日米金融政策格差に着目したドル買い・円売りや、(2)日経平均株価の底堅い動き(リスク選好の円売り圧力)、(3)中国経済指標(中国7ー9月期GDP統計、中国9月小売売上高、中国9月鉱工業生産)の良好な結果(中国経済を巡る悲観的な見方の後退→市場心理改善)、(4)ウォラーFRB理事による「経済の強さが持続する場合、より高い金利が必要になる可能性が高い」とのタカ派的な発言、(5)ボウマンFRB理事による「インフレ率は低下してきたが依然として高すぎる」とのタカ派的な発言、(6)ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「インフレに関してはまだ勝利宣言をするつもりはない」とのタカ派的な発言、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは2007年7月以来の高水準となる4.92%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値149.98まで急伸しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/19午前5時25分現在)では、149.90前後で推移しております。尚、昨日は桜井元日銀審議委員より「年内にもマイナス金利政策を解除する可能性がある」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

18日(水)のユーロドル相場は冴えない動き。(1)中国経済を巡る悲観論の後退(中国経済指標の良好な結果→市場心理改善)や、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0595まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)欧州株の冴えない動きや、(4)米当局者によるタカ派的な発言、(5)欧米金融政策格差に着目したユーロ売り・ドル買い、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0523まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/19午前5時25分現在)では、1.0537前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏9月CPI改定値(結果+4.3%、予想+4.3%)、ユーロ圏9月コアCPI改定値(結果+4.5%、予想+4.5%)はいずれも市場予想通りの結果となりました。

本日の見通し

ドル円はじり高推移が継続し、約2週間ぶり高値149.98まで上昇しました。上位足(日足、週足、月足)から下位足(60分足、4時間足)に至る全てのテナーで力強さ(主要テクニカルポイントの上抜け)が確認される他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」も継続するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております(まさに押し目待ちに押し目無しの典型的なチャートパターン)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(直近で発表された米雇用統計、米PPI、米CPI、米ミシガン大期待インフレ率、米小売売上高は軒並み力強い結果→ウォラーFRB理事による「経済の強さが持続する場合、より高い金利が必要になる可能性が高い」とのタカ派発言→米10年債利回りが2007年7月以来の高水準へ急上昇)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(万が一日銀が政策変更の可能性を滲ませる発言を行ったとしても、絶好の押し目機会になるだけとの見方が市場コンセンサス)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの継続期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

鬼門の150.00に迫ってきたため、政府・日銀による為替介入が警戒されているものの、国際通貨基金のサンジャヤ・パンス副局長が先週末に「最近の円安はファンダメンタルズに沿った動きで、為替介入の要件を満たしていない」と発言したこと等を踏まえると、このタイミングで実弾介入に踏み切ることは容易では無いと考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(10/3に記録した年初来高値150.16を突破し、昨年高値151.95に向かって上値を伸ばすシナリオを想定)。尚、本日は米経済指標(米10月フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数、米9月中古住宅販売件数、米9月景気先行指数)に加えて、米当局者発言(パウエルFRB議長、ジェファーソンFRB理事、シカゴ連銀グールズビー総裁、バーFRB副議長、アトランタ連銀ボスティック総裁)も複数予定されているため、米国時間帯のボラティリティ急拡大に警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:149.25ー150.75

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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