ドル円、日米金融政策格差 vs 介入警戒感の構図が続くが、前者に軍配があがる可能性大(10/5朝)

4日(水)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、日米金融政策格差 vs 介入警戒感の構図が続くが、前者に軍配があがる可能性大(10/5朝)

ドル円、日米金融政策格差 vs 介入警戒感の構図が続くが、前者に軍配があがる可能性大

〇ドル円、介入警戒感、日経平均大幅下落、米金利低下等に欧州朝方148.74まで下落
〇その後は149円挟みでのもみ合い、ADP雇用統計の不冴えには反応薄
〇ユーロドル、ドイツ9月非製造業PMIの好調やECB総裁のタカ派発言に1.05台回復
〇ドル円依然として全てのテクニカルポイントの上側で推移、強い買いシグナルも継続
〇ファンダメンタルズも日米金融政策格差といった典型的なファンダメンタルズ要因が残存
〇引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:148.50ー150.00

海外時間のレビュー

4日(水)のドル円相場は上値の重い展開。(1)急ピッチな下落に対する反動買い(ドル円は政府・日銀による介入観測を背景に前日海外時間に年初来高値150.16から147.33まで急落→順張り勢の押し目買いや逆張り勢の利食いが活発化)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり中、アジア時間朝方にかけて、高値149.32まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)政府・日銀による介入警戒感の残存(神田財務官による「介入の有無はコメントを控える」「過度な変動に対してはこれまで通りの方針で臨んでいる」との発言や、鈴木財務相による「介入の有無はコメント控える」「市場動向を極めて注意深く緊張感を持ってみている」「過度な変動はあらゆる可能性を排除しない」との発言、松野官房長官による「為替介入の有無についてコメントを控える」との発言)や、(4)日経平均株価の冴えない動き(日経平均株価は5/18以来の安値圏へ大幅下落→リスク回避の円買い圧力)、(5)円金利上昇に伴う円買い圧力(本邦10年債利回りは2013年8月以来の高水準となる0.80%へ急上昇)、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値148.74まで反落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)米9月総合PMI(結果50.2、予想50.1)の市場予想を上回る結果や、(8)米9月ISM非製造業景況指数(結果53.6、予想53.5)の市場予想を上回る結果、(9)米8月製造業受注(結果+1.2%、予想+0.3%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10/5午前5時10分現在)では、149.05前後で推移しております。尚、昨日発表された米9月ADP雇用統計(結果8.9万人、予想15.3万人)は市場予想を下回る冴えない結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。

4日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0452まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)前日記録した年初来安値1.0448(昨年12/7以来の安値圏)を背にした押し目買い圧力や、(2)ドイツ9月非製造業PMI(結果50.3、予想49.8)の市場予想を上回る結果、(3)ユーロ圏9月総合PMI(結果47.2、予想47.1)の市場予想を上回る結果、(4)ラガルドECB総裁による「インフレ抑制のために金利はしばらく高止まりする」とのタカ派的な発言(早期利下げ観測の後退)、(5)米9月ADP雇用統計の冴えない結果、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0532まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/5午前5時10分現在)では、1.0515前後で推移しております。尚、昨日はポルトガル中銀センテノ総裁より「金利の利上げサイクルは完了した可能性がある」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は前日の急落劇(150.16→147.33)から持ち直すも、全値戻しには至りませんでした。日本政府・日銀による介入警戒感が上値を抑制する主因となっております。但し、日足ローソク足が依然として全てのテクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続していること、日米金融政策格差といった典型的なファンダメンタルズ要因が残存していること(日米金利差拡大に伴う円キャリートレードの継続期待)等を踏まえると、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、地合いは崩れていない(全値戻しは時間の問題)と判断できます。

事実、通貨オプション市場では、ドル円のダウンサイドリスクは殆ど織り込まれておりません。本日予定されている米9月チャレンジャーレイオフ調査や、米8月貿易収支、米新規失業保険申請件数などが良好な結果を示す場合や、クリーブランド連銀メスター総裁、リッチモンド連銀バーキン総裁、サンフランシスコ連銀デーリー総裁などからタカ派的な発言が出てくる場合には、米FRBによる金融引き締め長期化観測再燃→米長期金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円が再び10/3に記録した年初来高値150.16円に向けて急伸するシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(為替介入による押し下げ効果が弱いと見なされる場合は、失望感から円売り圧力が一気に加速してしまうリスクあり)。

本日の予想レンジ:148.50ー150.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、日米金融政策格差 vs 介入警戒感の構図が続くが、前者に軍配があがる可能性大

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る