円安警戒のなか、過熱感乏しいドル高進行も(9/25夕)

週明け25日の東京市場はほぼ横這い推移。148円前半の非常に狭いレンジ取引にとどまっている。

円安警戒のなか、過熱感乏しいドル高進行も(9/25夕)

円安警戒のなか、過熱感乏しいドル高進行も

〇本日のドル円、値幅は終日を通して30ポイント未満と動意薄、16時現在148.35-40で推移
〇日米欧の政策金利発表を受け円安基調継続に変化なし、目先は米経済指標に一喜一憂する展開か
〇市場の円安警戒感根強く、150円は近くて遠いイメージ
〇本日は米8月シカゴ連銀全米活動指数、9月ダラス連銀製造業活動指数等の発表予定
〇ドル円予想レンジは147.90-148.80、ドル高・円安方向は148円半ばの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、まずは東京安値の148.25レベルが最初のサポートか

<< 東京市場の動き >>

週明け25日の東京市場はほぼ横這い推移。148円前半の非常に狭いレンジ取引にとどまっている。

先週末、中国恒大が25-26日に予定していた「債権者との協議」を延期すると発表し話題に。一方、ロシア外相がウクライナの提示した「侵攻前の領土を回復する」という和平案を「実現不可能」と一蹴したことも思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は148.35-40円で寄り付いたものの、動意らしい動意はなし。実際、値幅は終日を通して148.25-50円といった30ポイント未満にとどまっている。市場の一部では実施される植田日銀総裁の会見が注視され、午後に「為替への影響を十分注視」といったコメントが聞かれたものの影響は限定的だった。16時現在では148.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、恒大集団について前述した発表に続き、主要事業会社の恒大地産集団が当局による立件調査を受けているため「現在の状況では新規に債券を発行する資格を満たせない」とする声明を発表した。いよいよ再建に向けた動きが手詰まりに陥る可能性もある。そうしたなか中国浙江省で行われたスポーツイベント、「杭州アジア大会」において、幾つか問題が発生し物議を醸していたようだ。うちひとつは、台湾選手団の入場時、中国国営中央テレビのアナウンサーが台湾を「中国台北」と紹介したこと。台湾は中国の一部だと強調する狙いがあったもよう。また、国境係争地になっているインド外北東部アルナチャルプラデシュ州出身の複数選手が大会出場を拒否され、インド外務省が抗議するという騒ぎも起こっていたという。

対して後者は、ロシア外相が先に記した「和平案一蹴」コメントを発したことに続き、「米国とその同盟国はロシアと直接の戦争状態」にあるとの認識を示したとして、そちらも話題に。ロシアサイドからの発言は依然として意気軒昂だが、カナダ首相が3年間で6.5億ドルのウクライナ支援を約束したほか、英国も国防相が「揺るぎないウクライナ支援を継続する」と表明。さらに、米NBCは「バイデン氏がウクライナに長距離ミサイルATACMS供与を表明」と伝えていた。実際には、ロシアがジリジリと追い詰められつつある感を否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

東京時間のドル/円相場は30ポイントにも満たないレンジ取引だったが、それでも先週記録した年初来高値をわずかに更新。まさに牛歩といった様相だ。リスクは引き続きドル高方向にバイアスが掛かるほか、本日東京のような動きであれば、当局筋の指摘する「過度の変動」には当たらず、円買い介入に動くこともない−−などといった指摘も一部で取り沙汰されていた。いずれにしても、流れは容易に変わりそうもない。
市場が注視していた日米欧など主要国の政策金利と、それに関するスタンスが明らかとなったが、日本は低金利政策の継続が改めて示されており、やはり円安という基調そのものは続くと見て間違いない。ただ、目先的には発表される米経済指標に対して一喜一憂する展開も予想されるほか、新会計年度が始まる10月1日から米国の政府機関が一部閉鎖に陥るリスクが高まっているところはやや気掛かり。後者については米議会情勢をしっかりと見極めたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京でも年初来高値を更新。しかし、148円半ばにはとどかないなど、市場に根強く円安警戒感がはびこっていることを感じさせる。リスクは引き続きドル高方向に高そうだが、このあとも勢いのあるドル高・円安が進行する展開も見込みにくい。そうした意味で、150円は近くて遠い存在というイメージだ。
また、先週21日に観測されたような、一時的な振り落としの動きにも一応要注意。

本日は米経済指標として、8月のシカゴ連銀全米活動指数や9月のダラス連銀製造業活動指数などが発表される予定となっている。FRBは少なくとも年内あと1回利上げする可能性があるとされているだけに、それに向けた米ファンダメンタルズが再び注目を集め始めているようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.90-148.80円。ドル高・円安方向は東京で超えられなかった148円半ばの攻防に注目。超えれば148.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、まずは東京安値の148.25円レベルが最初のサポートか。それを下回ると昨日安値147.90-00円を目指すが、いずれにしても底堅いイメージ。

円安警戒のなか、過熱感乏しいドル高進行も

ドル円日足


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