ドル強保ち合いは継続か、明日の米FOMC待ち
〇本日のドル円、147円後半でレンジ取引、引き続き方向性は乏しい
〇リスクは依然としてドル高方向だが上値も重く、147円台中心のドル強保ち合いがしばらく続く可能性も
〇注目される米FOMC・日銀会合の結果発表を控え、ドルの底堅い値動き継続の公算大きい
〇欧米時間のドル円予想レンジは147.30-148.10、ドル高・円安方向は147.95をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、147円半ばが目先のサポートか
<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場はレンジ取引。147円後半における往来相場で、引き続き方向性は乏しかった。
ドル/円は147.60円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。下値は147円半ばまでと底堅かったものの上値も重く、148円に到達することは出来なかった。結果的には次の材料をにらみつつ、ドルは強保ち合いといった様相。16時現在では147.80-85円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「上川外相デビュー」について。
前者は、かつてバイデン米大統領が「中国の習国家主席は独裁者」とコメントし物議を醸したことがあったが、新たにドイツのベアボック外相も同様のコメントを発したとして話題に。なお、この発言に中国は外務省報道官が「極めてでたらめで、中国の政治的尊厳に対する重大な侵害」などと強い反発の姿勢を示していた。改めて両国関係悪化の火種となる可能性もある。そうしたなか、ロシアを訪問している王共産党政治局員兼外相がラブロフ外相と会談を実施した反面、ブリンケン米国務長官は国連総会に合わせ韓国家副主席と会談したという。
対して後者は、外相に就任したばかりの上川陽子元法相が、上々の外交デビューを果たしたとして一部で好感されていた。国連総会の関連会合出席のため訪れているNYで、IAEA事務局長そしてブリンケン米国務長官とも対面式の会談を実施。ちなみに、福島処理水や北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射などについて話し合いをしたもようだ。また、日本が今年のG7議長国ということを利用し、上川氏はNYでG7外相会合を開催。ウクライナ情勢をめぐり、侵攻を続けるロシアへの毅然とした対応とウクライナへの支援継続で連携を確認したと伝えられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、依然としてレンジ内でドルの強保ち合い。時間足を見ると、先週12日の欧米時間以降一度も147円を割り込んでいない。リスクが依然としてドル高方向に高いことは間違いないものの、逆に148円へも達しておらず、ドルの上値の重さもかなりのものだ。注目を集める日米金融政策をにらみつつ、短期的には147円台を中心としたドル強保ち合いがいましばらく続く可能性もある。
市場では日米の金融政策を注視している向きが多く、NY時間の明20日にいよいよ米FOMCの結果が発表される予定だ。そんな米FOMCについては「金利据え置き」見通しが優勢だが、同時に「年内あと1回の追加利上げの可能性は維持される」との見方が一般的。22日に日銀会合の結果発表を控えていることもあり、仮に予想通りの結果であっても、ドルの底堅い値動きはしばらく継続する公算が大きい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末に145.90-147.90円という形成していた2円レンジを一時上抜くも、結局はレンジを10ポイントほど上昇修正させただけ。つまり、引き続き大局的にはレンジ内にとどまっている状況だ。見方を変えれば、価格ではなく時間調整といった様相を呈しており、ドルロングなどのポジションは少しずつこなれてきている感もある。ドル高再燃に向けての準備は着々と進展しているのだろう。
本日は米経済指標として、8月の住宅着工件数などが発表される予定だが、米国ではいよいよFOMCが開催される。結果は日本時間だと明後日21日の午前4時ごろ発表する予定だ。なお、本日ということではゼレンスキー大統領による国連総会の一般討論演説を注視する向きもある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.30-148.10円。ドル高・円安方向は先週末に示現した147.95円をめぐる攻防に引き続き注目。超えればもちろん148円台乗せを否定できないが、それでも頭は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京で示現した147円半ばが目先のサポートか。下回ると147.34円を目指すが、いずれにしても底堅く147円台では下げ止まる展開か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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