ドル高ジワリ、ただ基本はレンジ継続か
〇本日のドル円、147.45レベルで寄り付き、147.35-70レンジでの一進一退に終始
〇ECBは9/14の理事会で10会合連続となる利上げを実施するも、利上げ打ち止めの可能性も示唆
〇FOMCに市場の関心が移行しつつあり、ドル円はいましばらくはレンジ取引が続くといった見方が有力
〇テクニカルにはレンジ上抜けへの期待も高まりつつある
〇ドル円予想レンジは147.20-148.30、ドル高・円安方向は年初来高値147.87が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる147.35レベルの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場はわずかにドル高。ただ基本的にはレンジ内で、明確な方向性が示されるまでには至らなかった。
ドル/円は147.45円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。147.35-70円といった値幅での一進一退に終始している。途中、中国の経済指標が幾つか発表され、その内容をめぐり豪ドル高が進行したことなどからドル/円もわずかに上振れしたが、影響は長く続かず。16時現在では147.60円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、先で指摘した中国経済指標は全体に好数字、とくに小売売上高の好数字を好感し、豪ドル/円は95円以下のレベルから95円半ばまで一時値を上げた。
一方、材料的に注視されていたものは「欧州金融情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ECBは14日の理事会で10会合連続となる利上げを実施。主要政策金利を0.25%ポイント引き上げたものの、一方で利上げ打ち止めの可能性も示唆した。声明で「主要政策金利はインフレ率の適時目標回帰に多大な寄与をするとみられる水準に到達した」などと指摘している。これを受け、ユーロ/円は158円前半で推移していたものが、一気に156円台へ。1円を大きく超える急落のトリガーに。
対して後者は、6月後半から行方が分からなくなっていた秦剛外相が、その1ヵ月後の7月25日に新華社通信が理由は不明ながら「解任された」と報じ、物議を醸す事件があった。そんな記憶もまだ生々しいなか、今度は李国防相の動静が2週間以上途絶えており、別途話題になっているようだ。ちなみにロイターは、先週行う予定だったベトナム高官らとの会談について、「中国側が数日前にキャンセルし、その理由として『健康状態』を挙げていたことが分かった」と報じるなか、英紙FTは「中国当局の調査対象となり国防相としての任務を解かれたと米政府が判断している」と伝えていた。真偽を含め、続報などに引き続き注目したい。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は依然としてレンジ取引。過去2週間ほどとどまっている145.90-147.90円からいまだ脱することが出来ない。来週の米FOMCに市場の関心が移行しつつあることで、いましばらくはレンジ取引が続くといった見方が有力だが果たして如何に。東京時間の午後に伝えられたブルームバーグの「植田日銀総裁発言に関する報道(後述)」もあり、ややドル買い優勢になっているところは気掛かりだ。
日米欧の金融政策を注視している向きが多いなか、昨日先陣を切ってECB理事会が利上げを実施。ただその一方で、利上げ打ち止めも同時に示唆していた。そうしたなか、9日に読売新聞が報じた植田日銀総裁インタビューについて、ブルームバーグが「日銀認識ほぼ変わらず」と市場解釈とギャップがある旨を報じ話題となっている。これについては、筆者も市場の過剰反応に疑問を感じていたが、ともかく市場では本日改めて植田発言が取り沙汰され思惑を呼んでいたことは間違いない。ドルはさらなる続伸の可能性もあるか。
テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジ内での推移が続いているものの、徐々に上抜けの期待が高まりつつあるようだ。一時147.65-70円まで値を上げ、年初来高値まで20ポイント程度へと急接近している。このままの勢いで、このあと一気に148円台乗せといった展開を予想する声も聞かれていた。
ただし、スピード的な要因はともかく、レベル的には円安けん制発言がいつ聞かれてもおかしくはない。土壇場で踏みとどまることができるだろうか。
本日は米経済指標として、8月の鉱工業生産や9月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表される予定となっている。来週に米FOMCという重要材料を控えるなかではあるものの、好数字となればドル買いで反応する可能性も取り沙汰されていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.20-148.30円。ドル高・円安方向は年初来高値147.87円が最初の抵抗で、超えれば148円台乗せが現実味を帯びてくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる147.35円レベルの攻防にまずは注目。ただ、下回っても基本的には147円台では下げ止まりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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