ドル円、市場予想を上回る米CPIを受けて一時上昇するも、年初来高値に一歩届かず(9/14朝)

13日(水)のドル円相場は上昇後に伸び悩む展開。

ドル円、市場予想を上回る米CPIを受けて一時上昇するも、年初来高値に一歩届かず(9/14朝)

ドル円、市場予想を上回る米CPIを受けて一時上昇するも、年初来高値に一歩届かず

〇ドル円、米8月CPIの市場予想を上回る結果に米国時間に147.74まで上昇
〇買い一巡後は失速、CPIコアの鈍化や米長期金利の急低下に147円台半ばに反落
〇ユーロドル1.07台前半中心の動きでECB理事会待ち
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、買いシグナルも継続、強い地合いを維持
〇ファンダメンタルズも日米金融政策格差と円キャリートレードの継続期待がサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日、米8月小売売上高、生産者物価指数、米新規失業保険申請件数など重要指標多い
〇ECB理事会結果からのユーロドルの変動のドル円への波及にも注意
〇本日の予想レンジ:146.50ー148.00

海外時間のレビュー

13日(水)のドル円相場は上昇後に伸び悩む展開。アジア時間早朝にかけて、安値146.99まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日米金融政策格差に着目した円キャリートレードの継続や、(2)米8月消費者物価指数(結果+3.7%、予想+3.6%、前回+3.2%)の市場予想を上回る結果、(3)上記2を背景とした米FRBによる金融引き締め長期化観測(米金利上昇→米ドル買い)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値147.74まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)前週末金曜日に記録した年初来高値147.88に届かなかったことに対する失望感(上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り)や、(5)米8月消費者物価コア指数(結果+4.3%、予想+4.3%、前回+4.7%)が市場予想通りの結果に留まったことに対する安堵感、(6)米長期金利の急低下(米2年債利回りが米CPI発表直後に記録した5.04%から4.96%へ急低下、米10年債利回りも4.36%から4.23%へ急低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間9/14午前5時40分現在)では、147.47前後まで反落する動きとなっております。

13日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0765まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ユーロ圏7月鉱工業生産(結果▲2.2%、予想▲0.3%)の市場予想を下回る結果や、(2)ドイツ政府による2023年GDP予想の下方修正(4月時点の+0.4%から▲0.3%へ下方修正)、(3)米消費者物価指数の市場予想を上回る結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0711まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)ECB理事会を翌日に控えたポジション調整や、(5)米長期金利の急低下が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間9/14午前5時40分現在)では、1.0731前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は良好な米CPIを受けて一時147.74まで急伸するも、前週末金曜日に記録した年初来高値147.88には届きませんでした(上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り・利食い売りが活発化)。但し、依然として147円台半ばで推移していることや、日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していること、強い買いシグナル(一目均衡表三役好転、強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンド)が複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(ダウンサイドリスクは限定的)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(CMEが提供するFed Watchツールによると、年内25bp利上げが依然として40.3%織り込まれている状態)や、(2)日銀による金融緩和の継続観測(一部で年内マイナス金利解除観測が燻っているものの、たとえ解除されたとしても影響は限定的との見方が市場コンセンサス)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米8月小売売上高や、米8月生産者物価指数、米新規失業保険申請件数など、米国の重要イベントが目白押しとなるため、昨日同様、米経済指標発表直後のボラティリティ拡大に注意が必要でしょう。また、本日はECB理事会やラガルドECB総裁記者会見も予定されているため(市場予想が据え置きと25bp利上げで拮抗しているため)、ユーロドル相場の乱高下がドル円に波及するシナリオ(対ユーロでの米ドル上昇を通じたドル円上昇や、対ユーロでの米ドル下落を通じたドル円下落など)にも注意が必要と考えられます。

本日の予想レンジ:146.50ー148.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、市場予想を上回る米CPIを受けて一時上昇するも、年初来高値に一歩届かず

ドル円日足

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