米消費者物価を注視、年初来高値更新なるか
〇本日のドル円、注目の米CPI発表を控えて動意乏しく、40ポイント強の小動き
〇ドル円相場は先週9/4以降10日間ほど、145.90-147.90の2円レンジを形成
〇米CPI市場予想は前年比+3.6%、コア指数+4.3%、好数字ならレンジ上抜けし148円台乗せ目指すか
〇ドル高円安方向は147.45-80レベルに空けたままのギャップを巡る攻防に注目。超えれば148円台乗せも
〇ドル安・円高方向は、短期的なサポートとして機能しつつある147円レベルが最初の下値目途
〇欧米時間のドル円予想レンジは146.70-148.00
<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場はレンジ取引。NY時間に注目の米消費者物価指数発表を控えていることもあってか、全体的に動意は乏しかった。
ドル/円は147.05円前後で寄り付いたものの、基本は小動き。実際、値動きは40ポイント強といったところにとどまっている。ただ、ドルは一時147.45円レベルを示現し、年初来高値147.87円を視界内に捉えるも、鈴木財務相など本邦要人からの円安けん制発言はとくになし。それが逆に思惑を呼んでいた面もあるという。16時現在では147.25-30円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「内閣改造」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、13日午後、岸田首相が第2次岸田再改造内閣の顔触れを決め、松野官房長官が閣僚名簿を発表した。それによると鈴木財務相は留任、外交の要である外相は林芳正氏から上川陽子氏へと交代した。また党人事については、麻生副総裁や茂木幹事長などが留任した。全体的な顔ぶれをみると、女性閣僚が5人となるなど一定のフレッシュさはうかがえるが、本日付けの日経新聞でも報じられているように「近年の内閣改造、支持率浮揚効果は限定的」だ。果たして今回は如何なる結果となるのか、動静を注視したい。
対して後者は、専用列車で12日午前にロシア入りした北朝鮮の金朝鮮労働党総書記が、プーチン氏との首脳会談を行ったと伝えられている。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの武器供与のほか、北朝鮮への人工衛星や原子力潜水艦に関する先端技術の提供などについて話し合われたもよう。なお、今回の件を受けたものなのか、米国防総省はベーカー国防次官代行(政策担当)が、15日から韓国で開かれる「拡大抑止戦略協議体(EDSCG)」会合に参加すると発表した。核・ミサイル技術を高度化させる北朝鮮に対し、米国の「核の傘」提供を軸とする拡大抑止の強化について議論する見通しだという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は先週4日以降、10日間ほど145.90-147.90円という2円レンジを形成している。当局の円買い介入警戒などもあり、短期的な方向性を喪失している。上記2円レンジがいましばらく続く可能性も否定できない。ただ、本日東京時間の動きを踏まえたうえで、飽くまでも注目の米消費者物価指数が「好数字になったら」という条件付きではあるものの、レンジを上抜けし148円台乗せ目指すといった声も聞かれていた。
来週開催される米FOMCなどを見極めたいとの向きが多いなか、まずは本日NY時間に発表される8月の米消費者物価指数に注目だ。またブルームバーグが「会合参加者でさえ、どのような結果になるのか見当がつかない」と伝えていた明14日のECB理事会への関心も高く、こちらも要注意。発表される経済指標や発言などに神経質になっている様子もうかがえ、欧州通貨主導で荒っぽい変動になる可能性も。
テクニカルに見た場合、ドル/円はややドル高方向へのリスクを感じる動きだが、大局的には依然としてレンジ内。本日東京時間に少しだけ埋めたものの、引き続き147.45-80円といったレベルにギャップが空いており一段のドル高を阻んでいるようにも見受けられる。まずはそんなギャップをしっかりと埋めきることが出来るのか否か、しっかり埋めれば年初来高値そして148円台乗せも現実味を帯びてきそうだ。
本日は米経済指標として、8月の消費者物価指数や同財政収支などが発表される見通しだ。なかでも前者、米消費者物価に対する関心は高い。ちなみに、消費者物価は前年比プラス3.6%、コア指数は同4.3%程度が予想されているようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.70-148.00円。ドル高・円安方向は前述した147.45円レベルから上に空けたままのギャップをめぐる攻防に注目。超えれば148円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、短期的なサポートとして機能しつつある147円レベルが最初の下値メド。下回ると146.40円前後までレベルを切り上げてきた移動平均の21日線がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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