基調変わらずも、ドル高値追いは一服か(9/8夕)

8日の東京市場はドルが小安い。調整と思しき動きから、やや大きめの調整が入ったものの下値も堅く、戻りも早かった。

基調変わらずも、ドル高値追いは一服か(9/8夕)

基調変わらずも、ドル高値追いは一服か

〇本日のドル円、鈴木財務相の円安けん制発言に反応し一時146.60レベルまで下落
〇買い遅れ筋によるビッド等に支えられすぐに急反発に転じ「行って来い」147円台をすぐに回復
〇3営業日連続で高値更新のドル円は本日まだ更新出来ず。ドル高基調は変わらないがドル高一服か
〇本日、7月卸売売上高や消費者信用残高などの米経済指標が発表予定
〇ドル高・円安方向は昨日高値147.87が最初の抵抗。超えればいよいよ148円台乗せか
〇ドル安円高方向、146.60レベル巡る攻防に注目。しっかり割り込めばMA21日線がある146円前半目指す
〇欧米時間のドル円予想レンジは146.80-147.80

<< 東京市場の動き >>

8日の東京市場はドルが小安い。調整と思しき動きから、やや大きめの調整が入ったものの下値も堅く、戻りも早かった。

ドル/円は147.30円前後で寄り付いたものの、鈴木財務相が発した円安けん制発言、「過度な変動にはあらゆる選択肢を排除しない」に反応。一時なかなか大きなドル売り・円買いの動きが観測されている。146.60円レベルまで下落した。しかし、買い遅れ筋などによるビッドなどに支えられて急反発に転じると、一時は「行って来い」の様相に。147円台をすぐに回復、16時現在では147.20-25円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、カナダ放送協会が「中国軍艦、南シナ海でカナダ軍艦に約1キロまで接近」などと報じ、一部で話題に。また、カナダ軍艦はそののち中国駆逐艦に追跡されたという。中国と言えば、東シナ海や南シナ海などにおいて、日本や米国あるいは台湾と緊迫したやり取りがこれまでにも観測されているが、そこにカナダも絡んできたとなるといよいよ風雲急を告げる気配がしないでもない。ただし、トルドー加首相からは「中国との関係は安定し悪化していない」とした平静を装うようなコメントが聞かれている。

対して後者は、ロシアのウラジオストクで10日から13日に開かれる「東方経済フォーラム」に合わせて、プーチン氏と北朝鮮・金総書記との首脳会談が行われると複数メディアが報じていた。ただ、そんな蜜月を示す報道が観測される反面、米マイクロソフトは「北朝鮮のハッカー集団が今年3月、ロシアの航空宇宙研究機関への不正アクセスに成功していた」ことを明らかにしている。ロシアにとって北朝鮮は真の友と言えない存在なのかもしれない。なお、そうしたなかハリス米副大統領から、ウクライナ侵攻を続けるロシアに北朝鮮が軍事支援をするのは「大きな間違い」とのコメントが発せられていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は5日から7日まで3営業日連続でドルが高値更新をたどってきたが、本日はまだ更新が出来ていない。ドル高基調そのものは変わらないが、前述したような鈴木財務相からの口先介入もあり、上値を積極的には攻めにくいといった声も聞かれていた。むしろ、一時的とはいえ、これまで底堅さを醸していた147円レベルを本日東京時間に割り込んできたことも気掛かりではある。短期的には、逆に調整が先行しても不思議はなさそうだ。
市場は日米欧の金融政策への関心が高く、それをにらんでの発言や発表される経済指標などを注視している。また、レベル的には先でも取り上げた日本の通貨当局による為替スタンス、円安けん制の動きを警戒する声も少なくない。円安進行スピードからすれば、それほど恐れることはないといった指摘もなくはないが油断は禁物だ。また、それとは別に不動産問題を中心とした中国情勢にも引き続き注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続きドル高方向へのリスクを感じるものの、足もとのドル高は取り敢えず一服した感もある。今週初めは146円前半でスタートしており、週末らしい調整の継続で、目先はさらにドルが下落する可能性も取り沙汰されていた。
しかし、このまま終了すると、今週のドル/円は2円にも満たない価格変動で終了することになることから、最後の最後駆け込み的な荒っぽい変動を警戒する声も一部から聞かれていたようだ。
本日は米経済指標として、7月の卸売売上高や同消費者信用残高などが発表される予定となっている。また明日からインドで行われるG20首脳会議にも一応要注意。ちなみに、日経新聞では「西側諸国とロシアや中国との分断が深まり、首脳宣言のとりまとめに苦慮」と報じていたが、果たしてどうなるのか注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.80-147.80円。ドル高・円安方向は昨日高値の147.87円が最初の抵抗。超えればいよいよ148円台乗せか。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間に示現した146.60円レベルをめぐる攻防にまずは注目。しっかり割り込めば移動平均の21日線が位置する146円前半を目指す。

基調変わらずも、ドル高値追いは一服か

ドル円日足


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