東京市場は「往って来い」で147円台を回復、トレンドはドル高円安のままか(23/9/8)

東京時間のドル・円は、鈴木財務大臣による口先介入を受けてドルが売られる場面も見られたが、影響は限定的。ドルはすぐに切り返し、147円台前半で推移した。

東京市場は「往って来い」で147円台を回復、トレンドはドル高円安のままか(23/9/8)

東京市場は「往って来い」で147円台を回復、トレンドはドル高円安のままか

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、鈴木財務大臣による口先介入を受けてドルが売られる場面も見られたが、影響は限定的。ドルはすぐに切り返し、147円台前半で推移した。

昨晩の海外時間では、新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことで米雇用関連の回復期待が高まったことから、米10年債利回りは4.3036%まで上昇した。ただ、米債利回り上昇が瞬間的な上昇に留まったことなどから、ドルは東京時間でつけた年初来高値147円88銭手前で失速、147円台前半でのもみ合いとなった。

東京時間では、朝方、鈴木財務大臣が「過度な変動にはあらゆる選択肢排除せず適切に対応」と口先介入を行ったことから、ドル売りが強まり一時146円59銭まで下落。一方、6日の神田財務官と同じような口先介入に留まったことから、ドル売りは続かず「往って来い」の形状に。午後は147円台前半で推移した。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円30銭
高値:147円38銭
安値:146円59銭
終値:147円14銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円53銭
高値:157円90銭
安値:157円01銭
終値:157円80銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:93円92銭
高値:94円30銭
安値:93円59銭
終値:94円25銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:183円66銭
高値:184円12銭
安値:183円07銭
終値:183円99銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32916円25銭
高値:32920円43銭
安値:32512円80銭
終値:32606円84銭(前日比−384円24銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

22時00分、米、バーFRB副議長がイベントに参加
23時00分、卸売在庫(前月比)、前回:−0.1%、市場予想:−0.1%

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。9月1日に長い下影(下ヒゲ)を残していることから、上値を探る形状と言えよう。

鈴木財務大臣による発言を受けて、「ドル売り・円買い」のシステムトレードが走ったようだが、発言内容自体、9月6日の神田財務官が発した「こうした動きが続くようであれば、あらゆる選択肢を排除せず適切に対応していく」という表現とほぼ同じである。今の為替水準では、政府・日銀はまだ切羽詰まった状況に至っていないと市場は理解し、ドルは値を戻したと考える。

本日の鈴木財務大臣の発言を受けて、筆者は「ドルが150円水準に到達した場面で、レベル5(筆者が勝手に考えた水準の最上位)に該当する「断固たる措置を取る」という口先介入が行われる」と再認識した。この再認識は、筆者だけではなく、市場関係者も同様だと思われる。

より強気な見方として「足元の原油価格上昇→インフレ再加速で米債券利回りの上昇→日米金利差の拡大」というシナリオを背景に、昨年10月の年初来高値151円96銭を上回っても、介入実施は難しいとの意見も出始めている。政府・日銀は為替介入を実施する以上、「ドル安円高トレンドへの転換」という目的達成が求められるが、足元の需給を考慮すると、この目的達成は非常に困難と言えよう。

こうしたコンセンサスが固まりつつある今、サウジアラビアが原油減産の方針を転換する、もしくは、米経済指標が総じて弱くなるなど、よほどの材料が出ない限りは「ドル高円安」というトレンドは続くだろう。

今晩の海外時間も、原油価格と米国債利回りを睨んだ展開となるが、基本ドル高円安進行を想定する。今晩の上値メドは、年初来高値水準の147円90銭、下値メドは東京時間の安値水準をやや上回る146円80銭とする。

東京市場は「往って来い」で147円台を回復、トレンドはドル高円安のままか

ドル円日足

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