ドル円、年初来高値更新後に急反落。米求人件数のネガティブサプライズがドル売りの背景(8/30朝)

29日(火)のドル円相場は急伸後に急反落。

ドル円、年初来高値更新後に急反落。米求人件数のネガティブサプライズがドル売りの背景(8/30朝)

ドル円、年初来高値更新後に急反落。米求人件数の不冴えがドル売りの背景

〇ドル円、株価の堅調等に米国時間に147.38まで上昇後、145.67まで急落
〇市場予想を、大幅に下回る米7月JOLTS雇用動態調査、米8月消費者信頼感の不冴え等が背景
〇ユーロドル、欧州指標不冴えで1.08割れの後、米長期金利低下で1.0892まで急伸
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、買いシグナルも継続、下落余地は限定的か
〇ADP雇用報告、雇用統計の結果次第では、再び米労働市場の逼迫が確認される可能性も
〇引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:145.25ー146.75

海外時間のレビュー

29日(火)のドル円相場は急伸後に急反落。(1)日米金融政策の方向性の違いに着目したドル買い・円売り(米長期金利上昇→日米金利差拡大→円キャリートレード継続)や、(2)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)心理的節目147.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、年初来高値147.38(昨年11/7以来の高値圏)まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米7月JOLTS雇用動態調査(結果882.7万件、予想は950.0万件)の市場予想を大幅に下回る結果(約2年ぶり低水準)や、(5)米8月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(結果106.1、予想116.0)の不冴な結果、(6)上記4、5を背景とした米FRBによる追加利上げ観測の大幅後退(労働市場の逼迫緩和期待→年内利上げ観測後退→米長期金利急低下→米ドル急落)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値145.67まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/30午前5時30分現在)では、145.78前後で推移しております。

29日(火)のユーロドル相場は下落後に急反発。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(3)ドイツ9月GFK消費者信頼感指数(結果▲25.5、予想▲24.5)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0782まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米7月JOLTS雇用動態調査の市場予想を大幅に下回る結果や、(5)米8月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数の冴えない結果、(6)上記4、5を背景とした米長期金利の急低下、(7)短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0892まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/30午前5時30分現在)では、1.0884前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は年初来高値更新後に急落する展開となりましたが、ダウンサイドに複数のサポートポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表基準線、雲上限)が並んでいること(押し目買いポイントが複数存在していること)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、ここからの更なる下落は容易では無い(下落余地は限定的)と判断できます。昨日は、米7月JOLTS雇用動態調査のネガティブサプライズを受けて、労働市場の逼迫緩和期待→年内利上げ観測後退→米長期金利急低下→米ドル急落の流れが加速しましたが、本日発表される米8月ADP雇用報告や、週末に予定されている米8月雇用統計の結果次第では、再び労働市場の逼迫が確認される可能性もあるため、全ての雇用関連指標を見極めるまでは、安易にドル売りで追いかけることは危険と考えられます。

結果として、本日は昨日の急落分に対する反動(自律反発)が出易い他、日銀による金融緩和の長期化観測(円キャリートレード継続期待)や、株高に伴うリスク選好ムード(リスクオンの円売り圧力)も、ドル円を下支えすると見られるため、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米8月ADP雇用報告、米4ー6月期GDP統計改定値、米7月中古住宅販売成約指数などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:145.25ー146.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、年初来高値更新後に急反落。米求人件数の不冴えがドル売りの背景

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る