東京市場は146円台と連日の年初来高値更新、介入警戒和らぎ高値更新か?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本の通貨当局による介入警戒感がやや和らぐなか、日米金利差拡大を材料に昨年11月以来の146円台半ばで推移した。
昨晩の海外時間では、7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、インフレリスクに対する懸念から利上げ継続が必要との見方が示された。また、住宅着工件数が市場予想を上回るなど米国経済指標が強かったことも影響し、米2年債利回りは4.98%台まで拡大。日米金利差拡大を材料にドルは年初来高値を更新、146円台半ばまで買われた。
東京時間では、146円56銭をつけた後、上値は重くなった。ただ、円安のスピード感や実体経済への影響が足りないとの見方から、日本の通貨当局による為替介入の難しさがやや意識され始め、介入警戒のドル売りは限定的に。年初来高値圏でのもみ合いとなったが、株式市場が弱いなか、ドルは落ち着いた動きを見せた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円28銭
高値:146円56銭
安値:146円28銭
終値:146円32銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円13銭
高値:159円29銭
安値:159円04銭
終値:159円09銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:93円96銭
高値:93円96銭
安値:93円23銭
終値:93円42銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:186円22銭
高値:186円42銭
安値:186円10銭
終値:186円17銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31621円98銭
高値:31704円08銭
安値:31309円68銭
終値:31626円00銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:24.8万件、市場予想:24.1万件
21時30分、米、フィラデルフィア連銀景況指数、前回:−13.5、市場予想:−10.6
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、7月14日に100日MA水準から反発。6月30日の高値145円08銭と8月3日の高値143円90銭を結んだ上値抵抗ラインと、7月14日の安値137円24銭と7月28日の安値138円07銭を結んだ下値支持ラインによる三角保ち合いを上放れている。年初来高値を連日で更新しているほか、日足の一目均衡表でも、雲上限(141円46銭)を上放れていることから目先のトレンドは強い。
ロシアルーブル、アルゼンチンペソが売られている影響もあり、17日時点のドルインデックスは103.5台まで上昇。昨年4月以来となる100割れの水準から反発を強めている。昨年、為替介入が行われた際のドルインデックスの水準は113−114台なので、現在の水準とはまるで景色は異なるが、ここ一か月ほどは「ドル高」の地合いとなっている。
為替水準だけを見ると為替介入を行った昨年9月と同じだが、円安のスピード感や実体経済への影響(世論)を考慮すると日本の通貨当局は積極的には動けないはずだ。実際、通貨当局関係者の発言は、15日の閣議後の記者会見での鈴木財務相の「過度な変動は望ましくない」「投機筋の動きがあれば、企業の将来的な経営計画や家計にも影響するため、しかるべき措置をとる」という内容のみに留まっている。
足元、一部でガソリン高騰が話題となっているが、食料品や日用品の物価高は高止まりで不満はある一方、ある程度、国民は受け入れつつあるようにも見える。昨年夏以降と比較すると、「世論」という大義名分が為替介入には不足していると言えよう。既に日本の通貨当局が介入に動きにくい状況であることは、投機筋に見透かされていると考える。となれば、じりじりとしたドル高が継続し、心理的な節目である150円台到達は十分視野に入ってくる。
今晩の海外時間も、じりじりとしたドル買いが継続すると想定。上値メドは年初来高値より上の146円80銭、下値メドは本日の安値水準の146円10銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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