ドル円、米CPIの市場予想を下回る結果を受けても上昇基調止まらず。地合いの強さが鮮明に(8/11朝)

10日(木)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、米CPIの市場予想を下回る結果を受けても上昇基調止まらず。地合いの強さが鮮明に(8/11朝)

米CPIの市場予想を下回る結果を受けても上昇基調止まらず。地合いの強さが鮮明に

〇ドル円、米7月CPIの予想を下回る結果に米国時間朝方に安値143.30まで急落
〇その後は株価の堅調やFRB関係者のタカ派発言等に144円台後半の急反発
〇ユーロドル、1.1065まで急伸後、米長期金利の急上昇等に1.0982前後まで押し返される動き
〇ドル円、押し目買い強く、テクニカルの地合いも極めて強い
〇引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:144.00ー145.75

10日(木)のドル円相場は急落後に急反発。(1)米7月消費者物価指数(結果3.2%、予想3.3%、※前年比)および、米7月消費者物価コア指数(結果4.7%、予想4.8%、※前年比)の市場予想を下回る結果や、(2)上記1を背景とした米長期金利の急低下が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値143.30まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)前日安値143.00を背にした押し目買い圧力や、(4)下値の堅さを嫌気した短期筋のショートカバー誘発、(5)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り再開)、(6)サンフランシスコ連銀デイリー総裁による「FRBはインフレに関してまだやるべきことがある」「FRBはコアインフレの抑制に全力で取り組んでいる」「利下げに関する議論には程遠い」とのタカ派的な発言、

(7)アトランタ連銀ボスティック総裁による「高すぎるインフレを抑制するために仕事に励む」とのタカ派的な発言、(8)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米2年債利回りは米CPI直後に記録した4.75%から4.84%へ急上昇。米10年債利回りも3.95%から4.12%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値144.82(7/3以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/11午前6時05分現在)では、144.74(←訂正 ×143.74)前後で推移しております。

10日(木)のユーロドル相場は上昇後に急反落。アジア時間朝方にかけて、安値1.0968まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米7月消費者物価指数および、米7月消費者物価コア指数の市場予想を下回る結果や、(2)上記1を背景とした米長期金利の急低下、(3)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1065まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米当局者によるタカ派的な発言や、(5)米長期金利の急上昇(米30年債入札後に米長期金利が軒並み急上昇)、(6)対主要通貨でのドル買い再開が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/11午前6時05分現在)では、1.0982前後まで押し返される動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は米CPI後に一時143.30まで急落するも、怒涛の押し目買いに下支えされる形で、米国時間午後にかけて、144.82(7/3以来、約1ヵ月ぶり高値圏)まで急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド、21日線、50日線、90日線、200日線)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、向こう数日以内に「一目均衡表三役好転」の点灯が確実視されていること、1時間足や4時間足などの下位足でも強い買いシグナルが成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年内利上げ観測の残存(米CPIが市場予想を下回ったことで次回9月FOMCでの利上げ観測は後退するも年内利上げ観測は引き続き残存)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待、(4)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。事実、昨日は米CPIが弱かったにもかからず、ドル円の下げ幅が限定的となりました。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間21:30に予定されている米7月生産者物価指数と、同23:00に予定されている米8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値に注目が集まりますが、結果がどうであっても、ドル買い・円売りの流れを止めるには至らないと考えられます。状況次第では、6/30に記録した直近高値145.07を一気に上抜け、昨年10/21に記録した高値151.95に向けて上昇基調を強める恐れもあるため、本日海外時間もドル円のアップサイドリスクに注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:144.00ー145.75

注:ポイント要約は編集部

米CPIの市場予想を下回る結果を受けても上昇基調止まらず。地合いの強さが鮮明に

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