ドル円、日銀による買いオペ通知をトリガーに約3週間ぶり高値圏へと急上昇(8/1朝)

週明け31日(月)のドル円相場は下落後に急上昇。

ドル円、日銀による買いオペ通知をトリガーに約3週間ぶり高値圏へと急上昇(8/1朝)

ドル円、日銀による買いオペ通知をトリガーに約3週間ぶり高値圏へと急上昇

〇ドル円、日銀の臨時国債オペ買い入れオペ通知等に米国時間に一時142.68まで上昇
〇ユーロドル、米国時間朝方に1.1046まで上昇後米金利上昇等に1.0993まで反落
〇ドル円、主要テクニカルポイントを上抜け、買いサインも継続、地合い好転印象付ける
〇ファンダメンタルズも日銀の緩和策長期化観測等がドル円の支え
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:141.5-143.5

海外時間のレビュー

週明け31日(月)のドル円相場は下落後に急上昇。(1)前週末金曜日に発表された日銀による金融緩和のサプライズ修正(これまで0.5%程度としてきた長期金利の変動幅上限を市場動向に応じて1.0%程度まで超えることを容認)や、(2)上記1を背景とした円金利の急上昇(本邦10年債利回りが一時0.605%と約9年ぶり高水準へ上昇)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値140.69まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)日銀が臨時の国債買い入れオペを通知したこと(残存期間5年超10年以下の国債を対象に臨時買い入れオペを実施→円金利の上昇を抑え込む姿勢を明確化→事実上の上限である1%に到達するまで予想以上に時間がかかるとの思惑浮上→円キャリートレード再開)や、(4)中国7月製造業PMI(結果49.3、予想48.9)の市場予想を上回る結果、(5)日経平均株価の急上昇(リスク選好の円売り圧力)、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値142.68まで急伸しました。

引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/1午前5時30分現在)では、142.25前後で推移しております。尚、昨日発表された米経済指標は、米7月シカゴ購買部協会景気指数(結果42.8、予想43.5)が市場予想を下回る一方、米7月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲20.0、予想▲22.5)が市場予想を上回るなど、強弱まちまちの結果となりました。

週明け31日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)ユーロ圏4ー6月期GDP速報値(結果+0.6%、予想+0.5%、※前年比)の市場予想を上回る結果や、(2)ユーロ圏7月コアCPI速報値(結果+5.5%、予想+5.4%)の市場予想を上回る結果、(3)米7月シカゴ購買部協会景気指数(結果42.8、予想43.5)の市場予想を下回る結果、(4)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1046まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(6)ECBによる金融引き締め休止観測(7/27に開催されたECB理事会でラガルド総裁は「9月以降の決定はオープン」「短期的な景気見通しは悪化」「サービス業の勢いは減速し製造業も弱い外需によって抑制されている」とハト派的な発言に終始)、(7)ロンドンフィキシングに絡むユーロ売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0993まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/1午前5時30分現在)では、1.0995前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は日銀による金融緩和のサプライズ修正を受けて、前週末金曜日に一時138.07まで下げ幅を広げましたが、昨日は一転して持ち直す動きとなり、約3週間ぶり高値となる142.68まで急伸しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、雲上限、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する強気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(パウエルFRB議長は前週開催されたFOMC後の記者会見で次回9月会合での利上げ有無はデータ次第との見方を強調→直近で発表された米国経済指標は軒並み力強い結果→追加利上げ観測再燃→米金利上昇→米ドル買い)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(日銀は金融緩和の修正を発表するも、YCCを完全に撤廃したわけでは無い他、円金利の急騰も買いオペを通じて阻止される公算大→円売り安心感)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑、(4)世界的な株高地合い(リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

状況次第では、6/30に記録した直近高値145.07を早期に試すシナリオも想定されることから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米7月ISM製造業景況指数や、米6月JOLT雇用動態調査に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、心理的節目143円や144円を一気に突破するシナリオも想定されるため、海外時間帯のアップサイドリスクに警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:141.50ー143.50

ドル円、日銀による買いオペ通知をトリガーに約3週間ぶり高値圏へと急上昇

ドル円日足

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