ドル円、植田日銀総裁によるハト派的な発言を受けて急反発。一時139円台前半へ(7/19朝)

18日(火)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、植田日銀総裁によるハト派的な発言を受けて急反発。一時139円台前半へ(7/19朝)

ドル円、植田日銀総裁によるハト派的な発言を受けて急反発。一時139円台前半へ

〇ドル円、米国時間にかけ137.70まで急落後、一時139.13まで急反発、138円台後半での推移
〇米6月小売売上高の予想を下回る結果等に売られ、植田日銀総裁のハト派発言に買われる
〇植田日銀総裁「持続的、安定的な2%のインフレ達成にはまだ距離がある」と発言
〇ユーロドル、欧州時間に1.1276まで上昇後、ECB関係者のハト派発言に1.12台前半に反落
〇ドル円、90日線、200日線、雲上限がサポート、強気のパーフェクトオーダーも点灯
〇ファンダメンタルズも植田総裁発言によりYCC修正観測後退が円売り要因に
〇調整分(145.07→137.25)の半値戻しが位置する141.16近辺まで持ち直すシナリオを想定
〇本日の予想レンジ:138.00-140.00

海外時間のレビュー

18日(火)のドル円相場は下落後に急反発。(1)日経平均株価の堅調推移や、(2)上記1を背景としたリスク選好ムード、(3)本邦3連休明けの需給要因が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、一時138.93まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(5)日銀による金融緩和の修正観測、(6)米6月小売売上高(結果+0.2%、予想+0.5%)の市場予想を下回る結果、(7)米6月小売売上高・除く自動車(結果+0.2%、予想+0.3%)の市場予想を下回る結果、(8)イエレン米財務長官による「企業側の雇用需要の強さは後退した」「複数の要因がインフレを下押ししている」との慎重な発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値137.70まで急落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(9)植田日銀総裁による「持続的、安定的な2%のインフレ達成にはまだ距離がある」とのハト派的な発言や、(10)上記9を背景とした日銀による金融緩和の修正観測の後退(大規模ショートカバー誘発)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値139.13まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/19午前5時10分現在)では、138.90前後で推移しております。

18日(火)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)イタリア中銀ビスコ総裁による「基調的なインフレは根強い」とのタカ派的な発言や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)欧州株の底堅い動きが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、約1年5カ月ぶり高値となる1.1276(昨年2/24以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)オランダ中銀クノット総裁による「7月より後の利上げはあり得るが確実というわけではない」「コアインフレは横ばい状態となったようだ」とのハト派的な発言や、(5)上記4を背景としたECBによる金融引き締め休止観測(ドイツ債利回り低下→ユーロ売り)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1208まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/19午前5時10分現在)では、1.1230前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時137.70まで下げ幅を広げるも、米国時間午後にかけて139.13まで急反発する展開となりました。90日移動平均線や200日移動平均線、一目均衡表雲上限がサポートとして確り機能していることや、90日移動平均線と200日移動平均線のゴールデンクロスを経て強気のパーフェクトオーダーが点灯したこと、1時間足ベースで強い買いシグナルを示唆する三役好転が点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの好転(下げ止まりの兆し)が確認されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、植田日銀総裁による「持続的、安定的な2%のインフレ達成にはまだ距離がある」とのハト派的な発言を受けて、7/28に予定されている日銀金融政策決定会合でのYCC(イールドカーブコントロール)の許容変動幅拡大観測が後退するなど、金融緩和の修正を見越して進められてきた円買いの流れ(円キャリートレード解消の流れ)に変化の兆し(円売り再開)が出てきています。

米FRBによる金融引き締め休止観測(米ドル売り要因)は依然として残っているため、一方的なドル円上昇は想定しづらいものの、少なくとも直近2週間で発生した大規模ポジション調整(6/30高値145.07→7/14安値137.25)の揺り戻しには警戒が必要でしょう。当方は来週の重要イベント(米FOMC、日銀金融政策決定会合)に向けて、上記調整分(145.07→137.25)の半値戻しが位置する141.16近辺まで持ち直すシナリオを想定いたします。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数(20:00)、米6月住宅着工件数(21:30)、米6月建設許可件数(21:30)が予定されております。

本日の予想レンジ:138.00ー140.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、植田日銀総裁によるハト派的な発言を受けて急反発。一時139円台前半へ

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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