東京市場のドルは137円25銭まで下落、「落ちてくるナイフはつかむな」?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀が今月の金融政策決定会合で金融政策方針を変更するという観測が高まったことから、ドル売りが加速。137円台前半まで売られた。
昨夜の海外時間では、「円キャリートレード」の巻き戻しが継続したことで、円全面安の地合いとなったほか、米インフレ鈍化に伴う米金利先高感の剥落を受けて、ドルは売り優勢に。サポートと見られていた日足の一目均衡表の雲上限(138円52銭)を下放れた後は、5月22日以来となる137円台に突入した。
東京時間では、朝方、元日銀銀行理事の早川英男氏が「日銀が今回の会合にて、長短金利操作(YCC)修正の可能性が高まっている」とコメントしたニュースが伝わったこともあり、137円25銭まで下落。日経平均も前日比マイナス圏で取引を終えるなど、株式市場も弱い地合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:138円03銭
高値:138円12銭
安値:137円25銭
終値:137円84銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:154円95銭
高値:155円01銭
安値:154円18銭
終値:154円66銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円09銭
高値:95円17銭
安値:94円55銭
終値:94円97銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円26銭
高値:181円32銭
安値:180円21銭
終値:180円88銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32587円90銭
高値:32780円63銭
安値:32225円37銭
終値:32391円26銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
23時00分、米、ミシガン大学消費者信頼感指数、前回:64.4、市場予想:65.4
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、6月まで拡大するバンド上限を意識したバンド・ウォークが確認できたが、7月以降は、陰線連発でバンド下限を下回っている。昨日まで6営業日連続で陰線示現という非常に珍しいチャート形状となっている。
日足の一目均衡表では、サポートラインとして期待された雲上限(138円52銭)をあっさり割り込んでおり、下値を探る格好となっている。東京時間で、短いながらも下影(下ひげ)を残していることから短期的なリバウンドが入る可能性はあるが、「落ちてくるナイフはつかむな」という相場格言が頭をよぎる。
本日伝わった早川氏のコメントを受けて、「円キャリートレード」の巻き戻しが続く可能性はある。ドル指数が2022年4月以来となる100の大台割れの状況下、「円キャリートレード」の巻き戻しとドル金利の先高感剥落というダブルコンボ炸裂を受けて、ドルがじりじりと下げる地合いは十分想定できよう。その場合のターゲットとして、雲下限(135円79銭)が短期的な下値メドとして意識されると考える。足元、ロンドン時間ではやや買戻しが入り138円半ばまでドルが戻しているが、短期リバウンド終了後は崩れる展開を想定する。
今晩のドルは、下向きのトレンド継続を想定。本日の上値メドは雲上限水準の138円60銭、下値メドは本日の安値水準である137円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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