東京市場のドルは138円割れ寸前まで売り込まれる、雲上限での攻防に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、インフレ鈍化懸念がより強まったことで、日足の一目均衡表の雲上限(138円46銭)を割り込む場面が見られるなど弱い展開となった。
昨晩の海外時間で発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.0%上昇と市場予想(同3.1%増)を下回ったほか、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアは、同4.8%増とこちらも市場予想(同5.0%増)を下回った。2021年年末以来となる低い伸び率を受けて、米2年債利回りは4.86%台から4.71%台まで一気に低下。ドル売り優勢の地合いとなった。
東京時間もこの流れが継続し、米2年債利回りは4.70%台まで低下。5月以降、強まっていた「円全面安」に対する逆回転が進んだこともあり、ドルは138円台割れ寸前まで売られた。日経平均が切り返したことで、やや落ち着きを取り戻した感はあるが、雲上限水準でのもみ合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:138円38銭
高値:138円68銭
安値:138円07銭
終値:138円63銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:154円10銭
高値:154円56銭
安値:153円88銭
終値:154円52銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:93円94銭
高値:94円56銭
安値:93円86銭
終値:94円47銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:179円79銭
高値:180円35銭
安値:179円50銭
終値:180円31銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32106円05銭
高値:32484円40銭
安値:31952円98銭
終値:32419円33銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ユーロ圏鉱工業生産指数(前月比)、前回:1.0%、市場予想:0.4%
18時00分、欧、ユーロ圏鉱工業生産指数(前年比)、前回:0.2%、市場予想:−1.0%
20時30分、欧、ECB議事録(6月15日開催分)
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:24.8万件、市場予想:24.9万件
21時30分、米、生産者物価指数(前月比)、前回:−0.3%、市場予想:0.1%
21時30分、米、生産者物価指数(コア)(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.2%
21時30分、米、生産者物価指数(前年比)、前回:1.1%、市場予想:0.5%
21時30分、米、生産者物価指数(コア)(前年比)、前回:2.8%、市場予想:2.5
%
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、6月まで拡大するバンド上限を意識したバンド・ウォークが確認できたが、7月以降はバンドの拡大は一服。20日MA(142円69銭)や50日MA(140円07銭)を明確に割り込んでいる。
日足の一目均衡表では、雲上限(138円46銭)を割り込んだ後は、いったん下げ渋るような動きが見られる。20日MA、50日MAはあっさり割り込んだが、雲上限が今後のサポートとして機能するか注目だ。
注目された6月の米CPIが2021年年末以来となる低い伸びとなったことから、7月26日、27日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げを停止する余地がでてきた。一方、その翌日28日には、日銀が金融政策方針の転換を発表する可能性が高まっている。足元の円キャリートレードのポジション解消は、この日銀の方針転換懸念がきっかけとなっていただけに、インフレ鈍化懸念に伴う7月の米国利上げ見送り観測が今後強まりそうな、ドル軟化の地合いは続くとみておいたほうが良さそうだ。
ドル指数は100.3台と2022年4月以来の水準まで低下しているが、昨年9月から10月に為替介入を実施した際のドル指数は110台と比べると、ドルが145円台を付けた6月30日もドル指数は103台で推移していた。つまり、足元の為替市場は「円キャリートレード」による底上げが非常に大きい。このポジション調整が加速的に行われているため、ドルや主要通貨は対円でフリーフォール状態となっている。日足の一目均衡表の雲下限(135円79銭)水準をターゲットと見ておいたほうが火傷しないかもしれない。
今晩のドルは、雲上限水準での攻防を想定するが、まだ下向きのトレンドか。本日の上値メドは心理的な水準である139円00銭、下値メドは本日の安値を下回る137円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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