ドル円、米CPIショックで約1ヵ月半ぶり安値圏へ急落。一時138円台前半へ(7/13朝)

12日(水)のドル円相場は大幅続落。

ドル円、米CPIショックで約1ヵ月半ぶり安値圏へ急落。一時138円台前半へ(7/13朝)

ドル円、米CPIショックで約1ヵ月半ぶり安値圏へ急落。一時138円台前半へ

〇ドル円、米国時間にかけ138.16まで急落、小幅反発するも上値重く138円前半で推移
〇米6月CPIの予想を下回る結果、日銀の緩和政策修正観測、米長期金利低下等が重石に
〇ユーロドル、弱い米CPIや米長期金利低下に1.1141まで急伸、底堅く推移
〇ドル円、基準線、21日移動平均線等下抜け、三役好転も消失、テクニカルの地合いの悪化鮮明化
〇ファンダメンタルズも米インフレ鎮静化期待、日銀YCC修正への思惑等ドル円の売り材料増加
〇本日米6月PPIに注目、ドル円相場の続落を本日のメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:137.25−139.25

海外時間のレビュー

12日(水)のドル円相場は大幅続落。アジア時間朝方にかけて、高値140.29まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)日銀による金融緩和の修正観測(日銀が7/28に予定されている会合でYCCの許容変動幅拡大に踏み切るとの思惑)や、(2)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、(3)円キャリートレードの巻き戻し(約5年半ぶり高水準まで膨らんだ円ショートポジションのアンワインド)、(4)心理的節目140.00を下抜けたことに伴う大規模ロスカット、

(5)米6月消費者物価指数(結果+3.0%、予想+3.1%)の市場予想を下回る結果、(6)米6月消費者物価コア指数(結果+4.8%、予想+5.0%)の市場予想を下回る結果、(7)米長期金利の急低下(米国のインフレ沈静化期待→米FRBによる金融引き締め休止観測再燃→米10年債利回りが3.96%から3.84%へ急低下)が重石となり、米国時間にかけて、約1カ月半ぶり安値となる138.16(5/22以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/13午前5時30分現在)では、138.46(←訂正×139.46)前後で推移しております。

12日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.1004まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ECBによる金融引き締め長期化観測や、(2)欧州株の堅調推移、(3)米6月消費者物価指数の市場予想を下回る結果、(4)米6月消費者物価コア指数の市場予想を下回る結果、(5)米長期金利の急低下、(6)強力なレジスタンスとして市場参加者に意識されていた1.1100の壁(同水準は4/26高値1.1096、5/3高値1.1092、5/4高値1.1092と過去3度止められている強力な抵抗帯)の上方ブレイクが支援材料となり、米国時間午後にかけて、約1年3カ月ぶり高値となる1.1141(昨年3/31以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/13午前5時30分現在)では、1.1135前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は6/30に記録した年初来高値145.07をトップに反落に転じると、昨日は約1カ月半ぶり安値となる138.16(5/22以来の安値圏)まで急落しました。この間、日足ローソク足が一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を下抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やダウ理論の上昇トレンドが消失するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化が鮮明となっております(昨晩は辛うじて一目均衡表雲上限がサポートとして機能しましたが、同水準を下抜ける可能性は相応に高く、更なる下落に要警戒)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米国の労働市場が見た目の数字より過大評価されているとの思惑や、(2)米国におけるインフレ鈍化期待、(3)上記1、2を背景とした米FRBによる金融引き締め休止観測(年内2回の利上げ観測が年内1回の利上げ観測に低下→米長期金利急低下→対主要通貨でドル独歩安)、(4)日銀による金融緩和の修正観測(7/28に予定されている日銀金融政策決定会合でYCCの許容変動幅拡大が実施されるとの思惑)、(5)過去最高水準に積み上げられた円ショートポジション(円キャリートレード)の巻き戻しなど、ドル円相場の更なる下落を連想させる材料が増えつつあります。

こうした中、本日は上記2を確認する目的で、日本時間21:30に予定されている米6月生産者物価指数に注目が集まります。既に発表されている米ミシガン大消費者信頼感指数の1年先のインフレ期待、米6月ニューヨーク連銀調査の1年先のインフレ期待、米6月消費者物価指数が軒並み鈍化しているため、本日の米6月PPIも鈍化シナリオが有力視されています。市場予想を下回る結果となれば、米インフレ沈静化期待が一段と高まり、ドル円がもう一段下げ足を速めるシナリオが想定されるため、当方ではドル円相場の続落を本日のメインシナリオとして予想いたします(米PPIが弱ければ、200日線が位置する137.15、90日線が位置する137.02近辺まで続落する恐れあり)。

本日の予想レンジ:137.25ー139.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米CPIショックで約1ヵ月半ぶり安値圏へ急落。一時138円台前半へ

ドル円日足

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