ドル円、本邦当局による円安牽制発言を受けて下落。海外時間は米独立記念日で商い閑散
〇ドル円、介入警戒感と、日欧株価不冴えに米国時間午前中に144.20まで下落
〇その後は米独立記念日で商い閑散の中144.44レベルに小幅に持ち直す
〇ユーロドル、米国時間にかけ1.0880まで下落、独5月貿易収支の不冴え、露好戦姿勢等が重石に
〇ドル円、テクニカルの地合い強く、円キャリー長期化に伴う円独歩安の流れも意識される
〇本邦当局も、昨年高値151.95を突破するまでは、実弾介入に踏み切らないと考えられる
〇引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇但し、週末雇用統計待ちで本日は様子見ムード広まりやすいか
〇本日の予想レンジ:143.75ー145.00
海外時間のレビュー
4日(火)のドル円相場は上値の重い展開。アジア時間早朝にかけて、高値144.82まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前日高値144.96や前週末金曜日高値145.07を背にした戻り売り圧力や、(2)神田財務官による「為替に関して米国を含め様々な意思疎通を行っている」との円安牽制発言、(3)鈴木財務相による「為替について財務官レベルで米国と緊密に連携を図っていることは事実」との円安牽制発言、(4)日経平均株価の冴えない動き、(5)欧米株の冴えない動き、(6)上記4、5を背景としたリスク回避の円買い圧力が重石となり、米国時間午前中に、安値144.20まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、その後は、米独立記念日で商い閑散となる中(米株市場・米債市場が休場となる中)、小幅に持ち直し、本稿執筆時点(日本時間7/5午前5時15分現在)では、144.44前後で推移しております。
4日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0917まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)欧州株の冴えない動きや、(2)ドイツ5月貿易収支(結果144億ユーロ黒字、予想173億ユーロ黒字)の市場予想を下回る結果、(3)ロシアを巡る地政学的リスク(プーチン露大統領は上海協力機構のオンライン首脳会議で「ロシアは西側の制裁と挑発に立ち向かう」と発言)、(4)ユーロクロスの軟調推移(ユーロポンドやユーロスイスの下落→ユーロドル連れ安)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0880まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/5午前5時15分現在)では、1.0884前後で推移しております。
本日の見通し
米独立記念日で商い閑散となる中、ドル円は一時144.20まで下落しました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て地合いは強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、日本とその他各国との金融政策格差が明確となる中、円キャリートレード長期化に伴う円独歩安の流れの継続(ドル円・クロス円上昇)が意識されます。
本邦当局による円安牽制発言が都度上値を抑える可能性はあるものの、現在進行中の円安は昨年見られたような「悪い円安」とはかけ離れているため、少なくとも昨年高値151.95を突破するまでは、実弾介入に踏み切らないと考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米5月製造業受注指数(23:00)、米5月耐久財受注確報値(23:00)、6/13ー6/14分のFOMC議事要旨(03:00)、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言(05:00)が予定されているものの、重要イベント(米雇用統計)を週末に控え、様子見ムードも広がりやすく、アジア時間、欧州時間を通して方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです。
本日の予想レンジ:143.75ー145.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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