ドル円、心理的節目142.00を突破し、約7カ月ぶり高値圏へ続伸(6/20朝)

週明け19日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、心理的節目142.00を突破し、約7カ月ぶり高値圏へ続伸(6/20朝)

ドル円、心理的節目142.00を突破し、約7カ月ぶり高値圏へ続伸

〇ドル円、米住宅指標好調等に米国時間に142.05まで上昇
〇米祝日で株式、債券市場休場、その後は142円割れの水準で動意薄
〇ユーロドル、欧州株のさえない動き等に一時1.0907レベルに反落
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上側で推移、強い買いシグナルも継続、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑等がドル円をサポート
〇本邦当局による口先介入を警戒しつつも、ドル円がじりじり上昇するシナリオを想定
〇本日の予想レンジ:141.25ー142.75

海外時間のレビュー

週明け19日(月)のドル円相場は堅調な値動き。(1)日経平均株価の急落や、(2)上記1を背景としたリスク回避の円買い圧力が重石となる中、アジア時間午後にかけて、安値141.44まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)日米金融政策の方向性の違いに着目したドル買い・円売り(円キャリートレード)や、(4)米6月住宅市場指数(結果55、予想51)の市場予想を上回る結果、(5)直近高値突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値142.05(昨年11/22以来の高値圏)まで上昇しました。その後は、米市場休場(ジューンティーンス独立記念日のため米株・米債市場が休場)で市場参加者に欠ける中、動意に乏しく、本稿執筆時点(日本時間6/20午前5時30分現在)では、141.98前後で推移しております。尚、米財務省は外国為替報告書(6/16公表)の中で、日本を「監視リスト」から除外しましたが、市場の反応は限定的となりました。

週明け19日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)ECBによる金融引き締め長期化観測が支援材料となる中、アジア時間朝方にかけて、高値1.0948まで上昇しました。しかし、前週末金曜日に記録した高値1.0970をバックに伸び悩むと、(2)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(3)欧州株の冴えない動きが重石となり、欧州勢参入後に、安値1.0907まで反落しました。もっとも、その後は、米市場休場で動意薄となり、本稿執筆時点(日本時間6/20午前5時30分現在)では、1.0920前後で推移しております。尚、昨日はリトアニア中銀シムカス総裁による「7月利上げに疑いはない」「9月利上げが必要かを判断するのは時期尚早」との発言や、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストによる「7月に追加利上げし、9月は様子を見るのが適切」との発言、シュナーベルECB専務理事による「インフレリスクは上方向に傾いている」「利上げ継続が必要」との発言、ギリシャ中銀ストゥルナラス総裁による「今年中に利上げが終了する可能性」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時142.05を記録するなど、昨年11/22以来、約7カ月ぶり高値圏へと上昇しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、4時間足など下位足でも強い買いシグナルが複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(先週開催されたFOMCでドットチャートの予想外の大幅上方修正→年内2回の追加利上げが織り込まれる展開)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(先週開催された日銀金融政策決定会合で緩和修正の見送りを決定)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑、

(4)日本とその他各国との金利差拡大(オーストラリア中銀、カナダ中銀、欧州中銀の利上げに続いて、今週は英中銀、ノルウェー中銀、スイス中銀、トルコ中銀が利上げに踏み切る構え→日本とその他各国との金融政策格差を背景に円独歩安の流れが活発化する恐れあり)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(本邦当局による口先介入に警戒しつつも、ドル円がじりじり上昇するシナリオを想定)。尚、本日は5・10日仲値(9:55)や、セントルイス連銀ブラード総裁発言(19:30)、米5月住宅着工件数(21:30)、米5月建設許可件数(21:30)、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言(00:45)に注目が集まります。特に、ブラックアウト期間明けの米当局者発言に注目が集まりそうです。

本日の予想レンジ:141.25ー142.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、心理的節目142.00を突破し、約7カ月ぶり高値圏へ続伸

ドル円日足

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