ドル円、CPI鈍化を受けて一時下落するも、米国時間午後にかけて急反発。本日はFOMCに注目(6/14朝)

13日(火)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、CPI鈍化を受けて一時下落するも、米国時間午後にかけて急反発。本日はFOMCに注目(6/14朝)

ドル円、CPI鈍化を受けて一時下落するも、急反発。本日はFOMCに注目

〇ドル円、米CPIの予想を下回る結果に米国時間朝方に139.01まで下落
〇売り一巡後は、米株価の堅調推移からのリスク選好の円売り、米長期金利の急上昇に140.31まで急伸
〇ユーロドル、CPI後の米ドル急落に1.0823まで上昇後、米金利上昇に1.0793レベルに押し返される
〇ドル円、CPI鈍化にもかかわらず終盤急伸、テクニカル、ファンダメンタルズとも上昇材料多い
〇本日FOMCではドットチャートの米政策金利年末予想中央値上昇の有無に要注目
〇予想値上昇による米FOMC後のドル円急伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:139.50ー141.50

海外時間のレビュー

13日(火)のドル円相場は下落後に急反発。(1)米5月消費者物価指数(結果+0.1%、予想+0.3%、※前月比)の市場予想を下回る結果や、(2)米5月消費者物価コア指数(結果+0.4%、予想+0.4%、※前月比)の市場予想通りの結果、(3)上記1、2を背景とした米国のインフレ沈静化期待(米FRBによる金融引き締め打ち止め観測の再燃)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値139.01まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)心理的節目139.00を背にした押し目買い圧力や、(5)米主要株価指数の堅調推移(ナスダック総合およびS&P500が年初来高値、ダウ平均株価も約4カ月ぶり高値圏)、(6)上記5を背景としたリスク選好の円売り圧力、(7)米長期金利の急上昇(米2年債利回りが3/10以来の高水準となる4.74%へ急上昇、米10年債利回りが5/28以来の高水準となる3.84%へ急上昇)、(8)短期筋のストップBUY(米CPI後にショートに振った投資家のロスカット)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値140.31まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/14午前4時50分現在)では、140.22前後で推移しております。

13日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間早朝にかけて、安値1.0756まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ドイツ6月ZEW景況感指数(結果▲8.5、予想▲13.0)の市場予想を上回る結果や、(2)米5月消費者物価指数の伸び率鈍化(米金利低下→米ドル売り)、(3)欧州株の堅調推移、(4)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0823まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米長期金利の急上昇と、(6)それに伴うドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6/14午前4時50分現在)では、1.0793前後まで押し返される動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は米CPIが鈍化したにも係わらず、急伸する動きとなりました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、4時間足などの下位足でも強い買いシグナルが点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(今晩のFOMCで据え置きが決定されたとしても、7月利上げ観測が消えるわけではないため、結果として「タカ派的な据え置き」と解釈され、米FOMC後にドルが一段高となるシナリオ)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁による慎重な発言を見る限り、今週末金曜日の会合では金融緩和の修正が見送られる公算大)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの再開期待など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

株式市場が堅調さを取り戻していること(リスク選好の円売り→クロス円上昇)や、日本とその他各国との金利差拡大が鮮明となっていること(オーストラリア中銀およびカナダ中銀が先週サプライズ利上げを実施→クロス円上昇)なども、クロス円の上昇を通じて、ドル円を下支えしそうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間6/15午前3時に予定されている米FOMCと、同3時30分から始まるパウエルFRB議長記者会見に注目が集まります。市場参加者の関心はドットチャートで2023年末の予想中央値が現在の「5.00ー5.25%」で据え置かれるのか、「5.25ー5.50%」に引き上げられるのかに移っています。前者であれば、年内利下げ観測が織り込まれるため、ドル円が一時的に急落する恐れがありますが、一方で米主要株価指数は急伸で反応する可能性が高いことから、米金利低下に伴うドル売りと、リスク選好の円売りが相殺して、下げ幅は限定的なものに留まりそうです。

後者の場合は、追加利上げを織り込む形で米金利上昇→米ドル買いの流れが一段と強まると共に、米主要株価指数もそこまで大きくは崩れないと見られることから(パウエルFRB議長が記者会見で株価の急落を阻止するバランスを取った発言を行う可能性があるため)、ドル円は金利差拡大に着目して素直に上昇で反応しそうです。当方は後者のシナリオを想定しているため、米FOMC後のドル円急伸をメインシナリオとして予想いたします(5/30に記録した直近高値140.95を突破する展開を想定)。尚、本日は米FOMC以外にも、米5月生産者物価指数に注目が集まります。

本日の予想レンジ:139.50ー141.50

ドル円、CPI鈍化を受けて一時下落するも、急反発。本日はFOMCに注目

ドル円日足

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