139円割れ回避から戻すも140円に届かず、方向感を探る
〇ドル円、6/6夕に139.09へ下落するも139円割れをひとまず回避
〇米長期債利回り上昇局面で買われ深夜139.98まで戻すも140円には届かず
〇米債券市場はポジション調整的な動きに終始して長期債利回りはまちまち
〇6/13夜の5月米CPIや13-14のFOMCを控え、それまでは方向感を手探りする展開か
〇今夜のカナダ中銀が事前予想4.50%据え置きに反し追加利上げなら、FOMCも利上げし易いとの見方も
〇139.50割れを買い戻されるうちは上昇余地あり、140円超えからは6/5高値140.45前後への上昇を想定
〇139.50以下での推移中は下向きとし、139円割れからは6/1深夜安値138.45試しへ向かうとみる
【概況】
ドル円は6月6日夕刻に139.09円へ下落して5日夜急落時の安値139.24円を割り込んだが139円割れをひとまず回避し、米長期債利回りの動向を見ながら利回り上昇局面で買われて深夜に139.98円まで戻したものの140円には届かず、7日早朝にかけては米長期債利回りの緩みを見て139.50円台へ軟化した。
5月29日高値140.91円と5月30日高値140.92円では共に141円に届かずにダブルトップ型を形成して下落に転じ、米FRB高官や地区連銀総裁らによる6月利上げ停止支持発言から6月1日深夜に138.45円まで下げたが、7月以降に追加利上げされる可能性が継続したことで下げ渋り、6月2日夜の米雇用統計での就業者数大幅増加により追加利上げが意識されて140円台へ戻し、5日夕刻には140.45円まで戻した。
しかし6月5日の米5月ISMサービス業景況指数が予想外の悪化となったことでドル売り再開に入り、6日から7日午前序盤にかけては139円割れを回避しつつ140円に届かない範囲で方向感を探る展開に入っている。
【米10年債利回りはまちまち、NYダウは小反発】
6月6日は米国の主要経済指標の発表がなく、米債券市場はポジション調整的な動きに終始して米長期債利回りはまちまちだった。
長期金利指標の10年債利回りは前日比0.03%低下の3.66%で終了、6月5日の前日比0.01%低下からの続落となった。一時は3.74%まで上昇してドル円の反発に寄与したが7日早朝にかけては失速してドル円の140円乗せを阻んだ。
30年債利回りは6月5日に前日比変わらずだったところから6日は0.04%低下の3.85%となった。利上げに敏感な2年債利回りは前日比0.01%上昇の4.48%となり6月5日の0.04%低下からやや持ち直したが、一時4.56%まで上昇したところから上げ幅を削った。
6月6日のNYダウは前日比10.42ドル高とわずかに上昇したが5日の前日比199.90ドル安の解消には至らず、6月2日に今年最大となる前日比701.19ドル高の大上昇後は様子見の様相だ。ナスダック総合指数は46.99ポイント高で前日の11.34ポイント高から反発したが、5日に付けた昨年10月13日安値以降の高値更新には至らず。
【来週の米CPI、FOMCを意識して方向感を探る】
6月2日の米雇用統計、5日夜の米ISMサービス業景況指数を通過して、次のイベントとしては6月13-14日にFOMC(15日未明に声明発表、議長会見)へ向かうが、6月13日夜には5月米CPIの発表を控えているため、大きく動くのは米CPIを見てからとなりやすく、それまでは方向感を手探りする展開にとどまりやすいと思われる。
米金利先物市場における6月FOMCでの利上げ停止の予想確率は8割弱となっており、7月ないし9月の利上げ再開に関してはまだ今後のインフレ指標や6月の雇用統計等を見定めてからとなりそうだ。
今夜はカナダ中銀の金融政策決定会合があり、市場の事前予想は政策金利を4.50%で据え置くと予想されている。カナダ中銀が予想に反して追加利上げを行う場合は来週のFOMCでも利上げしやすくなり、据え置きならFOMCも据え置きしやすくなるとの見方もあるようだ。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
ドル円は5月29日と30日の両高値をダブルトップとして5月11日夜の米PPI発表後に付けた安値133.74円を起点とした上昇が一巡となり調整局面に入っている印象だ。
今年1月16日安値から3月8日高値まで2カ月弱で10.70円の上昇幅となったところを一段目の上昇とすれば、3月24日安値129.63円から5月30日高値140.92円まで凡そ2か月で11.29円の上昇幅となったところが二段目であり、ほぼ同規模の上昇を実現したことと、141円手前で二度売られたことにより当面の高値を出し切っている印象のため、目先は上値が重くなりやすい局面と思われる。
141円超えへ進むにはFOMCが市場予想よりもタカ派姿勢を鮮明にする必要もあると思われ、逆にややハト派的で追加利上げへの積極姿勢に欠ける場合は円高感が優勢となりやすいと思われる。それまでは方向性を探りながら逆張り展開で推移しやすいのではないかと思われる。
短期的には140円を超えてくれば6月6日夕安値を起点とした上昇期として8日から12日にかけての間へ上昇継続しやすくなると思われるが、6日夕安値を割り込む場合は下向きのバイアスがかかり、6月1日深夜安値138.45円を割り込む場合は5月30日以降の展開が「戻り高値切り下がりでその後の安値も切り下がる右肩下がりの展開」に陥るため、来週の米CPI及びFOMCまで調整期が長引く可能性が高まるとみる。
60分足の一目均衡表では遅行スパンと先行スパンが共に実線と交錯しているところだが、139.50円以下での推移が続き始める場合は先行スパンからの転落となるため遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、139.75円超えから続伸に入れば先行スパン突破による上昇感が強まるとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。
60分足の相対力指数は6月6日夕刻への下落時に30ポイントへ下げてから深夜の反騰時にはいったん60ポイントに到達し、その後のジリ安推移により50ポイントを割り込んでいる。次に55ポイントを超えるところからは上向きとして60ポイント台中盤への上昇を想定するが、70ポイント超えへ進むにはドル高材料が欲しいところだ。50ポイント以下での推移中は下向きとし、40ポイント割れからは30ポイントを割り込む下落へ進む可能性が高まるのではないかと考える。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、139.00円を下値支持線、140.00円を上値抵抗線とする。
(2)139.50円割れを買い戻されるうちは上昇余地ありとし、140円超えからは5日高値140.45円前後への上昇を想定する。140.40円以上は反落注意とするが、140円台を維持し始める場合は141円を目指す上昇へ進む可能性が高まるとみる。
(3)139.50円以下での推移中は下向きとし、139円割れからは6月1日深夜安値138.45円試しへ向かうとみる。138.60円以下は反騰注意とするが、139円以下での推移なら8日も安値試しへ向かいやすく138円台前半へ向かう可能性が高まるとみる。
【当面の主な予定】
6/7(水)
未 定 (中) 5月 貿易収支・米ドル建て (4月 902.1億ドル、予想 920.0億ドル)
未 定 (中) 5月 貿易収支・人民元建て (4月 6184.4億元)
10:30 (豪) 1-3月期 GDP 前期比 (10-12月 0.5%、予想 0.3%)
10:30 (豪) 1-3月期 GDP 前年同期比 (10-12月 2.7%、予想 2.4%)
14:00 (日) 4月 景気先行指数速報値 (3月 97.7、予想 98.2)
14:00 (日) 4月 景気一致指数速報値 (3月 98.8、予想 99.0)
15:00 (独) 4月 鉱工業生産 前月比 (3月 -3.4%、予想 0.5%)
15:00 (独) 4月 鉱工業生産 前年同月比 (3月 1.8%、予想 1.4%)
16:00 (世) OECD経済見通し
16:50 (欧) デギンドスECB副総裁、金融統合関連会合参加
18:10 (欧) パネッタECB理事、パネル討論会参加
21:30 (米) 4月 貿易収支 (3月 -642億ドル、予想 -752億ドル)
23:00 (加) カナダ銀行 政策金利 (現行 4.50%、予想 4.50%)
23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
28:00 (米) 4月 消費者信用残高 前月比 (3月 265.1億ドル、予想 220.0億ドル)
6/8(木)
休場 ポーランド、ブラジル
07:45 (NZ) 1-3月期 製造業売上高 前期比 (10-12月 -0.4%)
08:50 (日) 1-3月期 GDP改定値 前期比 (速報 0.4%、予想 0.5%)
08:50 (日) 1-3月期 GDP改定値 年率換算 (速報 1.6%、予想 1.9%)
08:50 (日) 4月 経常収支・季調前 (3月 2兆2781億円、予想 1兆6638億円)
08:50 (日) 4月 経常収支・季調済 (3月 1兆90億円、予想 1兆3844億円)
08:50 (日) 4月 貿易収支・国際収支ベース (3月 -4544億円、予想 -2951億円)
10:30 (豪) 4月 貿易収支 (3月 152.69億豪ドル、予想 130.50億豪ドル)
14:00 (日) 5月 景気ウオッチャー現状判断 (4月 54.6、予想 55.0)
14:00 (日) 5月 景気ウオッチャー先行判断 (4月 55.7、予想 56.1)
18:00 (欧) 1-3月期 GDP確定値 前期比 (改定値 0.1%、予想 0.0%)
18:00 (欧) 1-3月期 GDP確定値 前年同期比 (改定値 1.3%、予想 1.2%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.2万件、予想 24.0万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 179.5万人、予想 180.4万人)
23:00 (米) 4月 卸売売上高 前月比 (3月 -2.1%、予想 1.0%)
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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