ドル円、上下しつつも方向感に欠ける展開。市場は早くも来週の米CPI待ちの様相へ
〇ドル円、米国時間朝方にかけて140.00まで反発するも伸び悩み、139円台後半での動き
〇米金利の上昇、株式市場の堅調推移等がドル円をサポート
〇ユーロドル、米金利上昇と欧州圏の指標不冴え、欧州圏でのインフレ期待低下に一時1.0667まで下落
〇ドル円139円台で方向感に欠ける値動き続く
〇但し、テクニカル的に見て上昇トレンドは継続中、ファンダメンタルズもドル円上昇材料揃う
〇6/13の米5月CPIの結果が明らかとなるまではレンジ相場が続く見通し
〇本日の予想レンジ:138.75ー140.25
海外時間のレビュー
6日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。欧州時間朝方にかけて、安値139.09まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)クラリダ元FRB副議長(現ピムコ社グローバル経済アドバイザー)による「FRBはおそらくこのサイクルで再び利上げするだろう」「FRBが2024年まで利下げを開始する可能性は低い」とのタカ派的な発言、(4)短期筋のストップBUY(ショートカバー)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値140.00まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間6/7午前5時30分現在)では、139.67前後で推移しております。
6日(火)のユーロドル相場は上昇後に反落。日本時間午後にかけて、高値1.0732まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)ドイツ4月製造業受注(結果▲9.9%、予想▲8.4%、※前年比)の市場予想を下回る結果、(3)ユーロ圏4月小売売上高(結果▲2.6%、予想▲3.0%、※前年比)の市場予想を下回る結果、(4)ECBによる「消費者のインフレ期待は著しく低下」「3年先のインフレ期待が2.9%から2.5%に低下」とのハト派的な見解公表が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0667まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間6/7午前5時30分現在)では、1.0692前後で推移しております。尚、昨日はオランダ中銀クノット総裁より「基調的なインフレ圧力は高まっている」との発言や、ラガルドECB総裁による「インフレ率は依然として高水準であり、ECBは追加利上げを継続する」との発言が見られましたが、ユーロ買いでの反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は振れを伴いつつも方向感に欠ける値動きが続いております(139.00を下抜けできず、140.00も上抜けできず)。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイント(一目均衡表基準線、ボリンジャーミッドバンド、21日移動平均線、200日移動平均線など)が並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」および「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上昇トレンドは継続中と判断できます(現在は上昇トレンドの過程で見られる一時的な踊り場局面。来週6/13に予定されている米5月消費者物価指数の結果を見るまでは方向感を見出しづらい時間帯が続く可能性あり)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(CMEが提供するFedWatchツールによると、6月FOMCは据え置きが79.4%、利上げが20.6%、7月FOMCは据え置きが36.1%、利上げが63.9%)や、
(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は昨日も「物価目標に達するまで量的・質的金融緩和政策を継続する」と発言)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
米債務上限問題や米地銀を巡る金融システム不安が後退する中、市場の関心は日米金融政策格差に移行しており、余程強いドル売り・円買い材料が出てこない限り、ドル円相場の上昇トレンドは継続すると考えられます(但し、来週6/13の米5月消費者物価指数の結果が明らかとなるまでは現在のようなレンジ相場が続く見通し)。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数、米4月貿易収支、米4月消費者信用残高以外に目立った米国経済イベントが予定されていないため(ブラックアウト期間中で米当局者発言も予定なし)、昨日同様、上下しつつも方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです。
本日の予想レンジ:138.75ー140.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2023.06.07
ドル円見通し 139円割れ回避から戻すも140円に届かず、方向感を探る(23/6/7)
ドル円は、6日から7日午前序盤にかけては139円割れを回避しつつ140円に届かない範囲で方向感を探る展開に入っている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.06.06
東京市場のドルは139円台半ばでの小動き、早くも米FOMC意識で様子見か(23/6/6)
東京時間のドル・円は、想定以上の低迷となった米ISM非製造業景況感指数を受けての米2年債利回り低下が尾を引き、ドルは139円台半ばでの推移となった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。