ドル円、約半年ぶり高値を更新し、心理的節目139円に迫る展開(5/24朝)

23日(火)のドル円相場は約半年ぶり高値を更新。

ドル円、約半年ぶり高値を更新し、心理的節目139円に迫る展開(5/24朝)

ドル円、約半年ぶり高値を更新し、心理的節目139円に迫る展開

〇ドル円、米長期金利の急上昇、FRB高官のタカ派発言に米国時間朝方にかけて、高値138.91まで急伸
〇ユーロドル、ユーロ圏5月総合PMIの市場予想を下回る結果や株価の下落に一時1.0760まで下落
〇ドル円、主要テクニカルポイント上抜け4時間足から全テナーで買いシグナルが点灯、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも米国の年内利下げ観測後退し、日米金利差拡大観測がドル円をサポート
〇債務上限問題の懸念残るが、デフォルトの可能性は低いか
〇引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:137.75ー139.50

海外時間のレビュー

23日(火)のドル円相場は約半年ぶり高値を更新。(1)ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「FRBはさらに利上げしなければならないかもしれない」とのタカ派的な発言や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)マッカーシー米下院議長による「合意に達しなかったが協議は建設的だった」との楽観的な発言、(4)バイデン米大統領による「債務不履行の選択肢はないという点で米下院議長と一致した」との楽観的な発言が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、一時138.88まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)日経平均株価の冴えない動き(9日ぶりに反落)や、(6)急ピッチな上昇に対する反動売り(短期筋の利食い売り)が重石となり、欧州勢参入後に、安値138.25まで反落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)米長期金利の急上昇や、(8)ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「インフレ率が高止まりした場合、追加利上げが必要となる」とのアジア時間に続いてのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値138.91(昨年11/30以来、約半年ぶり高値圏)まで急伸しました。

引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/24午前5時45分現在)では、138.58前後で推移しております。尚、昨日発表された米経済指標は、米5月総合PMI速報値(結果54.5、予想53.0)や、米4月新築住宅販売件数(結果68.3万件、予想66.5万件)が市場予想を上回る一方、米5月リッチモンド連銀製造業景気指数(結果▲15、予想▲8)が市場予想を下回るなど、強弱まちまちの結果となりました。

23日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値1.0821まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)米債務上限問題の進展期待(マッカーシー米下院議長やバイデン米大統領による楽観的な発言)、(3)ユーロ圏5月総合PMI速報値(結果53.3、予想53.5)の市場予想を下回る結果、(4)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0760まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/24午前5時45分現在)では、1.0770前後で推移しております。尚、昨日はラガルドECB総裁による「ECBの政策金利は十分に制限的な水準に達する見通し」との発言や、ドイツ連銀ナーゲル総裁による「今後数回の利上げが依然として必要」との発言が見られましたが、相場への影響は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は先週木曜日に記録した高値138.76を上抜けすると、一時138.91(昨年11/30以来、約半年ぶり高値圏)まで上昇しました。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイントの上側で推移している他、上位足(週足・日足)から下位足(4時間足)に至る全てのテナーで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転やダウ理論の上昇トレンド)が点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。目先は昨年10/21高値151.95と本年1/16安値127.22を結んだフィボナッチ半値戻しが位置する139.58を上抜けられるか否かに注目が集まります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年内利下げ観測の後退(ミネアポリス連銀カシュカリ総裁は昨日「FRBはさらに利上げしなければならないかもしれない」と発言→米利上げ観測再浮上→CMEが提供するFedWatchツールによると次回6月の25bp利上げを30%程度織り込む状態)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は先週末金曜日に「出口に向けた金融緩和の修正は時間をかけて判断していくことが適当」と慎重なスタンスを改めて明確化)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開期待(対主要通貨での円売り圧力)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

6/1のXデーに向けて、米債務上限問題は予断を許さない状態が続いていますが、1917年の債務上限設定以来、過去に一度もデフォルトに陥ったことが無いため(過去102回の上限引き上げを実行済み)、今回もこれまでと同様、最終的に決着するシナリオが予想されます(6/1のXデーまでの合意は難しいかもしれないが、6/15に予定されている税収日までに合意に至るシナリオを想定)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や米FOMC議事要旨以外に目立ったイベントが予定されていないため、米債務上限問題を巡る思惑に一喜一憂する神経質な展開が続きそうです(アジア時間帯は日経平均株価の動向にも要注意)。

本日の予想レンジ:137.75ー139.50

注:ポイント要約は編集部

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