ドル円、心理的節目135.00をついに突破し、約1カ月ぶり高値圏へ上昇
〇ドル円、欧州時間朝方にかけ135.12まで急伸
〇米金利上昇、YCC修正について日銀内で慎重な意見が広がっているとの観測報道が背景
〇買い一巡後は株価の軟調等に反落し134円台後半の動き
〇ユーロドル1.09台で方向感に欠ける動き継続
〇ドル円、一目均衡表「雲」上限の突破に成功、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズ的は日米金利差縮小観測からドル買い・円売りが進むシナリオ想定しづらいか
〇ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:134.00ー135.50
海外時間のレビュー
19日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値133.96まで下げ幅を広げるも、前日安値133.87をバックに下げ渋ると、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)英3月消費者物価指数(結果+10.1%、予想+9.8%)の市場予想を上回る結果(英ポンド円急伸→ドル円連れ高)、(3)ブルームバーグ社による「来週の日銀金融政策決定会合でのYCC修正について日銀内で慎重な意見が広がっている」との観測報道が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値135.12(3/15以来、約1カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(4)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(5)米長期金利の上昇幅縮小、(6)株式市場の軟調推移(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4/20午前5時30分現在)では、134.76前後で推移しております。
19日(水)のユーロドル相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0984まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)英3月消費者物価指数の市場予想を上回る結果(ユーロポンド急落→ユーロドル連れ安)、(3)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0917まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米長期金利の上昇幅縮小や、(5)短期筋のショートカバー(ユーロポンドのショートカバー→ユーロドル連れ高)、(6)レーンECB専務理事による「ベースラインの予測が持続すれば、さらなる利上げが適切」とのタカ派的な発言、(7)スペイン中銀デコス総裁による「最新のマクロ経済見通しが維持されれば、利上げ継続が必要」とのタカ派的な発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4/20午前5時30分現在)では、1.0954前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏3月消費者物価指数(結果+6.9%、予想+6.9%)およびユーロ圏3月消費者物価コア指数(結果+5.7%、予想+5.7%)は共に市場予想通りの結果となりました。
本日の見通し
ドル円は3/24に記録した安値129.65をボトムに反発に転じると、昨日は一時135.12(3/15以来、約1カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。市場参加者に意識されていた一目均衡表雲上限の突破に成功した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転および21日移動平均線と90日移動平均線のゴールデンクロスの点灯が秒読み段階に入るなど(このままの水準を維持できれば、週内に達成見込み)、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となっております。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、米FRBによる年内利下げ観測や、日銀による金融緩和の修正観測など、日米金融政策の方向性の違い(金融引き締め最終局面の米国と、これから金融引き締めに入っていく日本との政策格差)が残っているため、ここからどんどんドル買い・円売りが進むシナリオも想定しづらいと考えられます。
明日4/21に発表される本邦CPI(特にコアコアCPI)が市場予想を上回る結果となれば、翌週に予定されている日銀金融政策決定会合や植田総裁記者会見におけるタカ派転換への思惑から、ドル円が一気に値を崩すシナリオも十分想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(テクニカル的な強さよりもファンダメンタルズ的に弱さを重視)。尚、本日は米4月フィラデルフィア連銀景況指数や米新規失業保険申請件数、米3月中古住宅販売件数、米3月景気先行指数、ウォラーFRB理事講演、クリーブランド連銀メスター総裁講演、ボウマンFRB理事発言など、重要イベントが目白押しとなります。米経済指標が不冴な結果を示す場合には、年内利下げが一段と織り込まれる(実質金利上昇に伴う米経済のオーバーキルが嫌気される)ため、本日海外時間はドル円のダウンサイドリスクに注意が必要でしょう(但し、本日は5・10日にあたるため、日本時間9:55の仲値にかけての一時的なドル買い・円売りには要警戒)。
本日の予想レンジ:134.00ー135.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2023.04.20
ドル円見通し 米長期債利回り上昇、3月24日以降の高値更新で135円台到達(23/4/20)
ドル円は18日夜に133.82円まで下げた後は134円を挟んだ揉み合いとなっていた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2023.04.19
ドルは連日の戻り高値更新、続伸期待も強い(4/19夕)
19日の東京市場はドルが一段高。ドルは連日の戻り高値更新で、とくに夕方に掛けて上げ幅を急拡大させている。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。