ドル円、約1ヵ月ぶり高値圏から急反落。一目均衡表雲上限トライに失敗
〇ドル円、米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけ安値133.87まで急落
〇売り一巡後は米3月住宅着工件数の好調、FRB関係者のタカ派発言に134円台を回復
〇ユーロドル、1.09台で上下の後1.0972レベルでの取引
〇ドル円、一目均衡表雲上限の上抜けに失敗、上値の重さを再確認
〇ファンダメンタルズも市場の米年内利下げ観測根強く、ドル円の重石に
〇引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:133.25ー134.75
海外時間のレビュー
18日(火)のドル円相場は高値圏から急反落。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)公表相場決定にかけてのドル不足(需給のドル買い圧力)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値134.71(3/15以来、約1カ月ぶり高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)一目均衡表雲上限を背にした戻り売り圧力や、(5)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値133.87まで急落しました。
もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)米3月住宅着工件数(結果142万件、予想140万件)の市場予想を上回る結果や、(8)セントルイス連銀ブラード総裁による「制限的な政策金利は5.5%から5.75%の範囲を見込む」「インフレ率の明確な進展が見られないことは、金利が上昇し続ける必要があることを意味する」とのタカ派的な発言、(9)アトランタ連銀ボスティック総裁による「基本的な見方は次の利上げ後に金利を据え置くこと」「利上げが終了すれば、FRBはかなりの期間、金利水準を維持すると予想」とのタカ派的な発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4/19午前4時00分現在)では、134.07前後で推移しております。
18日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0922まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)欧州株の堅調推移(ドイツ株は昨年1/17以来の高値圏、フランス株は史上最高値更新)、(3)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力(ドイツ10年債利回りは3/15以来の高水準)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0983まで上昇しました。その後は、(4)ドイツ4月ZEW景況感指数(結果+4.1、予想+15.6)のネガティブサプライズを受けて、一時的に1.0943まで反落する場面も見られましたが、下がったところでは押し目買い意欲も根強くすぐに反発。(5)レーンECB専務理事による「ECBは5月に利上げすべき」とのタカ派的な発言も支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4/19午前4時00分現在)では、1.0972前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時134.71(3/15以来、約1カ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、海外勢参入後に133.87まで急落する展開となりました。強力なレジスタンスとして市場参加者に意識されていた一目均衡表雲上限の上抜けに失敗したため、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます(雲上限トライ失敗→上値の重さを再確認→ドル買いからドル売りへのトレンド転換期待)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年来利下げ観測(FRB当局者は次回5月FOMCで25bpの利上げに踏み切った後、年末まで政策金利を据え置く構え。一方市場参加者は次回5月FOMCで25bpの利上げに踏み切った後、年後半にかけて2・3回の利下げを織り込む動き)や、(2)日銀による金融緩和の修正観測(4/21に予定されている本邦コアコアCPIが市場予想を上回る場合には政策修正期待が急速に高まる恐れあり)、
(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(年内利下げが織り込まれている米国と、金融緩和からの早期脱却が見込まれる日本との政策格差)、(4)投機マネーのアンワインド懸念(過度に積み上がっている投機筋のドルロングポジションの解消懸念→円キャリートレード解消と組み合わさる場合はドル円が急落に転じる恐れあり)など、ドル円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が予定されております。
本日の予想レンジ:133.25ー134.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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