ドル続伸期待も、米消費者物価を注視
〇本日のドル円、133.65-70で寄り付き、上値を試す展開で一時134円台を示現
〇定着は出来ず「行って来い」再び133円後半へと押し戻され、米消費者物価指数発表待ちの様相
〇本日、米経済指標として3月の消費者物価指数や同財政収支が発表される予定
〇ドル高円安方向、東京高値134.05レベル少し上に位置する一目雲上限をしっかり抜けると135円目指す
〇ドル安円高方向は132円台後半に位置する移動平均90日等を巡る攻防に注目、底堅いが予断を許さない
〇欧米時間のドル円予想レンジは132.90-134.40
<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場はドルが小じっかり。3月15日以来の一時134円台を記録する局面も観測されていた。
ドル/円は133.65-70円で寄り付いたのち、上値を試す展開となり一時134円台を示現。しかし、定着は出来ずに「行って来い」。再び133円後半へと押し戻されている。その後はNY時間に発表される米消費者物価指数待ちの様相を呈するなか、16時現在では133.65-70円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「米機密文書流出」について。
前者は、12日に注目の米消費者物価指数の発表を控えるなか、複数の米地区連銀総裁から金融政策に関する発言が聞かれていた。たとえば、NY連銀総裁は「年内にあと1回利上げを行うとの見方は妥当」、フィラデルフィア連銀総裁「金利を5%超に引き上げたあと、しばらく水準は維持することを支持」、シカゴ連銀総裁「積極的な利上げに慎重になるべき」−−などといったコメントが聞かれており、全体的なトーンとしては若干弱めだった。
対して後者は、SNSに流失したとされる米機密文書がそこここで話題に。米韓国防相が電話会談を行い対応について協議したほか、豪国防軍司令官は「重大案件」などとして強い懸念を示していた。また、ウクライナ高官は文書流出を受け、軍が作戦の一部の変更を余儀なくされたとする一部報道に対し、「ウクライナの戦略は不変だ」と強調したうえ、英国は「流出情報は極めて不正確な内容」などとし慎重な対応を要請していたようだ。一方、どこまで信ぴょう性があるのかわからないが、同文書に記載されていた内容としてロシアのプーチン氏が「追い詰められた場合、戦術核兵器の使用を承認する恐れがあるとの分析が記載されている」といった話も拡散されていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は本日東京で約1ヵ月ぶりの134円台を示現。先週超えられなかった移動平均の21日線や90日線などを週明けに上抜け、ドル高方向へのリスクが拡大した感が強い。ただ、134円前後の抵抗帯を上抜けるのに思いのほか手こずっている印象で、実際本稿執筆時は133.65-70円へと目先高値から小緩んでの推移となっている。本日はNY時間に注目材料を控えているだけに予断を許さないものの、ドルの上値は殊の外重く上げ渋る可能性も否定できない。
米金融政策への関心が引き続き高いものの、前述したように米要人発言はと言うとややトーンダウンしている感がある。そうしたなか、NY時間に米消費者物価指数の発表が予定されており、内容には要注意だ。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前年比プラス5.6%と、前月(同5.5%)から小幅に上昇すると予想されている。予想通りの結果でも、市場はドル買いで反応するとの指摘も聞かれるがどうなるか。
テクニカルに見た場合、ドル/円は週明けに上抜けた移動平均の21日線などを昨日も維持し、底堅さをうかがわせる。ただ、一目均衡表の先行帯の雲の上限も位置する134円から134円前半では上げ渋りの様相で、上値も重そう。このあとの欧米市場で超えていくことが出来るか否かにまずは注目だ。超えた場合には135円が次のターゲットに。
ただ、逆に21日線などをNYクローズで再び下回ってくるようだと元の木阿弥。ドルの上値トライは仕切り直しか。
本日は米経済指標として、3月の消費者物価指数や同財政収支が発表される予定となっている。市場ではとくに前者への関心が高く、如何なる数字となるのかに注目だ。また米FOMC議事録の公表や米財務省による10年債の入札結果、そして昨日同様米地区連銀総裁等による講演も多く発言なども要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.90-134.40円。
ドル高・円安方向は東京高値の134.05円レベル、その少し上には一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置している。しっかり抜けると135円を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、132円台後半に位置する移動平均の90日などをめぐる攻防にまずは注目。底堅いイメージだが予断を許さない。
ドル円日日足
注:ポイント要約は編集
オーダー/ポジション状況
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