ドル円、米CPIの伸び率鈍化を背景に急反落。一時132円台後半へ突入
〇ドル円、東京時間の高値134.04から米国時間にかけ132.74まで急落
〇米3月消費者物価指数の伸び率鈍化と米長期金利の低下が背景
〇ユーロドル、米長期金利低下、ECB関係者のタカ派発言に一時1.1000に到達、高値圏で推移
〇ドル円、テクニカルの地合い悪化、ファンダメンタルズもドル円下落材料揃う
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:132.00ー134.00
海外時間のレビュー
12日(水)のドル円相場は高値圏から急反落。(1)日経平均株価の堅調推移や、(2)上記1を背景としたリスク選好の円売り圧力、(3)心理的節目134.00突破を狙った仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、日本時間正午にかけて、3/15以来、約1ヵ月ぶり高値となる134.04まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと(一目均衡表雲上限をバックに戻り売り圧力が強まると)、(4)注目された米3月消費者物価指数(結果+5.0%、予想+5.1%、前回+6.0%)の伸び率鈍化や、(5)上記4を背景とした米長期金利の急低下(米2年債利回りは4.06%から3.91%へ低下、米10年債利回りも3.45%から3.36%へ低下)、(6)短期筋のロスカットが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値132.74まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/13午前4時50分時点)では、133.20前後で推移しております。尚、昨日発表された米FOMC議事要旨(3/21ー3/22開催分)では、政策金利の据え置き(利上げの一時停止)が検討されたことが明らかとなりましたが、市場の反応は限定的となりました。
12日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)欧州株の堅調推移(リスク選好のユーロ買い圧力)や、(2)米3月消費者物価指数の伸び率鈍化(米金利低下に伴うドル売り圧力)、(3)デギンドスECB副総裁による「基調インフレは予想以上に堅調」とのタカ派的な発言、(4)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「ECBは5月以降も大幅に利上げを続ける必要がある」とのタカ派的な発言、(5)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「ECBは次回会合で金利をさらに引き上げる可能性がある」とのタカ派的な発言、(6)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力(ドイツの10年債利回りは2.25%から2.39%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1000まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/13午前4時50分時点)では、1.0990前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は約1ヵ月ぶり高値更新後に急落する展開となりました(134.04→132.74)。一目均衡表雲上限に続伸を阻まれ失速に転じたこと(上値の重さを再確認)や、強い売りシグナルを示唆する「弱気のパーフェクトオーダー」が継続していること(下落トレンドの継続を示唆)等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます(132円台半ばに位置する一目均衡表雲下限を割り込むことが出来れば、三役逆転も成立見込み)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年内利下げ観測(米CPIの伸び率鈍化→インフレピークアウト期待の再燃→米長期金利低下→米ドル売り)や、(2)日銀による金融緩和の根強い修正観測、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(金融引き締め終了間近の米国と、金融引き締めがこれからはじまる日本との政策格差→円キャリートレード逆流への警戒感)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は米3月生産者物価指数や、米新規失業保険申請件数に注目が集まります。米3月生産者物価指数が市場予想を下回る場合や、米新規失業保険申請件数が市場予想を上回る場合には、インフレピークアウト期待の更なる高まりと、労働市場に対する楽観的な見方の後退を通じて、ドル円にもう一段強い下押し圧力が加わる恐れがあるため、本日海外時間はドル円のダウンサイドリスクに特に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:132.00ー134.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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