ドル円、米ADP雇用統計および米ISM非製造業景況指数の悪化を受けて一段安(4/6朝)

5日(水)のドル円相場は一段安。

ドル円、米ADP雇用統計および米ISM非製造業景況指数の悪化を受けて一段安(4/6朝)

ドル円、米ADP雇用統計および米ISM非製造業景況指数の悪化を受けて一段安

〇ドル円、米3月PMI、ADP全米雇用報告、ISM非製造業景況指数の不冴えに一時130.65まで急落
〇米国時間終盤にかけて持ち直すも戻りは鈍く、131円台前半での推移
〇一部通信社、米地銀ウエスタン・アライアンスの総預金額の大幅減少を報道
〇ユーロドル、欧州圏、独仏のPMI不冴え等に米国時間に一時1.0891まで反落
〇ドル円主要テクニカルポイント下抜け、売りシグナルも成立中、地合い弱い
〇ファンダメンタルズも米労働市場ひっ迫懸念の後退等ドル売り要因揃う
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:130.00ー132.00

海外時間のレビュー

5日(水)のドル円相場は一段安。日本時間正午にかけて、高値131.85まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)株式市場の冴えない動き(日経平均株価急落→リスク回避の円買い圧力)や、(2)米3月総合PMI(結果52.3、予想53.3)の市場予想を下回る結果、(3)米3月ADP全米雇用報告(結果14.5万人増、予想20.0万人増)の市場予想を下回る結果、(4)米3月ISM非製造業景況指数(結果51.2、予想54.5)の市場予想を下回る結果、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力(米2年債利回りは3.89%から3.68%へ低下、米10年債利回りは3.37%→3.27%へ低下)、(6)ロング勢のロスカット(心理的節目131.00割れに伴う仕掛け的なドル売り・円買い)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値130.65まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/6午前5時00分時点)では、131.25前後で推移しております。尚、昨日は一部通信社より、米地銀ウエスタン・アライアンスの第1四半期の総預金額が12月末時点の536億ドルから476億ドルへと大幅に減少していることが示されました。

5日(水)のユーロドル相場は高値圏から反落。アジア時間朝方にかけて、高値1.0970まで上値を伸ばすも、心理的節目1.1000をバックに伸び悩むと、(1)フランス3月非製造業PMI(結果53.9、予想55.5)の市場予想を下回る結果や、(2)ドイツ3月非製造業PMI(結果53.7、予想53.9)の市場予想を下回る結果、(3)ユーロ圏3月非製造業PMI(結果55.0、予想55.6)の市場予想を下回る結果、(4)ユーロ圏3月総合PMI(結果53.7、予想54.1)の市場予想を下回る結果、(5)欧州株の急反落(リスク回避のユーロ売り圧力)、(6)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力(欧州経済の先行き不透明感→ECBによる金融引き締め打ち止め観測台頭→欧州債利回り低下)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0891まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/6午前5時00分時点)では、1.0905前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は4/3に記録した高値133.76をトップに反落に転じると、昨日は一時130.65まで急落しました(3日連続陰線)。日足・ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表雲上下限、90日移動平均線、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線)を軒並み下抜けしたことや、強い売りシグナルを示唆する「三役逆転」および「弱気のパーフェクトオーダー」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(目先は3/24に記録した直近安値129.65を試すシナリオを想定。同水準の下抜けに成功できれば、1/16に記録した年初来安値127.22が射程圏内に)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米労働市場を巡る逼迫懸念の後退(4/4に発表された米JOLT求人件数に続いて、昨日は米ADP全米雇用報告も冴えない結果→週末に予定されている米雇用統計がネガティブサプライズになるとの思惑浮上)や、(2)上記1を背景とした米FRBによる利下げ観測(CMEが提供するFedウォッチツールによると、市場参加者は5月および6月のFOMCで政策金利を据え置いたあと、7月FOMCで25bp利下げ、9月FOMCで25bpの追加利下げ、12月FOMCで25bpの更なる追加利下げを織り込む動き→米長期金利に低下圧力)、(3)日銀による金融緩和の修正期待(4/27ー4/28に予定されている植田総裁最初の会合を控えた警戒感)、(4)上記2、3を背景とした日米金融政策の方向性の違い(年内3回の利下げを織り込む米国と、金融緩和修正が織り込まれる日本との金融政策格差)、(5)円キャリートレード解消の思惑(IMM通貨先物市場で投機筋のネットショートが高水準を維持→アンワインドリスクが大きい)など、ドル円相場の続落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米3月チャレンジャーレイオフ調査、米新規失業保険申請件数、セントルイス連銀ブラード総裁講演に注目が集まります。特に米雇用関連指標への関心が強く、米JOLT求人件数や、米ADP全米雇用報告に続いて、チャレンジャーレイオフ調査や米新規失業保険申請件数も冴えない結果となれば、米金利低下→米ドル売りの経路と、米株下落→リスク回避の円買いの経路で、ドル円に強い下押し圧力が加わるものと推察されます。状況次第では心理的節目130.00を割り込む恐れもあるため、本日海外時間はドル円のダウンサイドリスクに一層の注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:130.00ー132.00

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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