ドル円、米JOLTS求人件数の冴えない結果を背景に急落。地合いの悪化が鮮明に(4/5朝)

4日(火)のドル円相場は急反落。

ドル円、米JOLTS求人件数の冴えない結果を背景に急落。地合いの悪化が鮮明に(4/5朝)

ドル円、米JOLTS求人件数の冴えない結果を背景に急落。地合いの悪化が鮮明に

〇ドル円、米国時間朝方にかけ高値133.16へ上昇後、一時131.52まで急落
〇米指標の不冴えと米金利低下、米主要株価指数の急反落等が背景
〇ユーロドル、欧州債利回り上昇、米金利低下等に一時1.0973まで急伸
〇ドル円、主要レジスタンスポイントを下抜け、強い売りシグナルも成立、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも、米労働市場の逼迫懸念の後退等がドル円の重石に
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:130.50ー132.50

海外時間のレビュー

4日(火)のドル円相場は急反落。(1)株式市場の堅調推移(リスク選好のクロス円上昇→ドル円連れ高)や、(2)原油価格の上昇懸念(OPECおよびOPECプラスは5月から年末にかけての追加減産を4/2にサプライズ表明→エネルギー発のインフレ懸念再浮上)、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値133.16まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米2月製造業受注指数(結果▲0.7%、予想▲0.5%、※前月比)の市場予想を下回る結果や、(5)米2月JOLTS雇用動態調査(結果993.1万件、予想1040.0万件)の冴えない結果(2021年5月以来の1000万件の大台割れ)、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力(米2年債利回りは4.02%から3.83%へ低下、米10年債利回りは3.48%→3.33%へ低下)、(7)米主要株価指数の急反落(リスク回避の円買い圧力)、(8)ロング勢の大規模ロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、安値131.52まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/5午前5時15分時点)では、131.65前後で推移しております。

4日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)原油先物価格の上昇懸念(ユーロ圏におけるインフレリスクが再浮上)や、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(3)欧州株の堅調推移、(4)5つの経済研究所(ドイツ4機関+オーストリア1機関)によるドイツ経済の楽観的な見通し(2023年のドイツGDP予測を昨年秋に公表した▲0.4%から+0.3%へ上方修正)、(5)米2月JOLTS雇用動態調査の冴えない結果、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力(ドルインデックスは2/2以来となる約2ヵ月ぶり安値圏へ急低下)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0973まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/5午前5時15分時点)では、1.0957前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は4/3に記録した戻り高値133.76をトップに反落に転じると、昨日は一時131.52まで急落しました。この間、日足・ローソク足が主要レジスタンスポイント(一目均衡表雲上下限、90日移動平均線、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド)を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米労働市場を巡る逼迫懸念の後退や、(2)上記1を背景とした米FRBによる金融引き締め打ち止め観測(CMEが提供するFedウォッチツールを確認すると、次回5/3FOMCでの据え置きの織り込み度合が前日の42.8%から57.0%へ急上昇。更に市場は9/20FOMCでの25bp利下げをも織り込む動き)、(3)日銀による金融緩和の修正期待(4/27ー4/28に予定されている植田総裁最初の会合でサプライズ的な金融緩和修正や記者会見でのハト派的な発言が出てくるとの思惑)、

(4)上記2、3を背景とした日米金融政策の方向性の違い(IMM通貨先物市場における投機筋のネットショートは依然として高水準→円キャリートレードの解消リスクが大きい)など、ドル円相場の続落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米3月ADP雇用統計、米2月貿易収支、米3月非製造業・総合PMI、米3月ISM非製造業景況指数などに注目が集まります。特に米3月ADP雇用統計と米3月ISM非製造業景況指数の注目度が高く、これらの指標が市場予想を下回る場合には、米FRBによる年内大幅利下げを織り込む形で、ドル円相場に強い下押し圧力が加わる恐れもあるため、本日海外時間帯はドル円のダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:130.50ー132.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米JOLTS求人件数の冴えない結果を背景に急落。地合いの悪化が鮮明に

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