東京市場は132円台での推移、米景気減速懸念とインフレ懸念の綱引き状態に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、132円台での小動きとなった。昨晩発表された3月の米ISM製造業景況指数は市場の予想以上に低下し、2020年5月以来の低水準となった。一方、ニューヨーク商品市場のWTIは1バレル80ドル台まで上昇。米2年債利回りが低下したことから、ドル買いは一服したが、為替市場は手掛けにくい地合いとなった。
東京市場もこの流れを受け継ぎ、ドル・円は132円台でのもみ合いとなった。米景気低迷懸念とインフレ懸念の綱引き状態となっていることから、積極的な売買は手控えられた。また、週末に米雇用統計の発表を控えていることも意識されて、132円台後半までドルは戻したが、133円台回復とはならなかった。
なお、日経平均は3日続伸し高値引けとなったものの、値幅は130円ほどと、為替市場同様、静かな相場展開に。原油価格上昇を受けて、鉱業や商社は買われたものの、長い目で見ると原油高は日本経済のマイナスとの見方から指数への積極的な買いは手控えられた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:132円34銭
高値:132円98銭
安値:132円18銭
終値:132円90銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:144円30銭
高値:144円77銭
安値:144円17銭
終値:144円66銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:89円82銭
高値:90円17銭
安値:89円68銭
終値:89円93銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:164円32銭
高値:164円94銭
安値:164円18銭
終値:164円80銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:28213円93銭
高値:28287円42銭
安値:28139円12銭
終値:28287円42銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(前月比)、前回:−2.8%、市場予想:−0.4%
18時00分、欧、ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(前年比)、前回:15.0%、市場予想:13.0%
23時00分、米、製造業新規受注(前月比)、前回:−1.6%、市場予想:−0.5%
23時00分、米、耐久財受注(前月比)、前回:−1.0%、市場予想:−1.0%
23時00分、米、耐久財受注(輸送除くコア)(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.0%
26時30分、米、クックFRB理事、FED主催会場で挨拶
26時45分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁、FED主催討論会に参加
31時45分、メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、拡大するバンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後、反発。足元、20日MAが位置する132円86銭水準でもみ合っている。2日連続で20日MAを上抜ける場面が見られたものの、上影を残しており、切り下がる20日MAに頭を押さえられた格好となっている。
日足の一目均衡表では雲上限と雲下限のねじれが発生した後、134円台まで切り上がる雲上限が下値支持線として維持できるか注目していたが、足元、132円台後半で推移する雲下限が下値支持線として機能している様子。この雲下限を下回った際、1月16日安値(127円22銭)と3月24日安値(129円65銭)を結んだ下値支持線が位置する130円水準までのドル売りは意識しておきたい。
今晩の海外市場は、要人発言を受けての米2年債利回りと、米経済指標を受けての米景気減速懸念のバランスがポイントとなる。原油価格上昇が続くと、米インフレ加速に意識が向かいそうだが、弱い米経済指標は投資マインドを冷やし、「スタグフレーション」警戒という非常に面倒な投資家心理を招く可能性もある。さすがに米失業率は低いことから、一足飛びに「スタグフレーション」に警戒、とはならないが、週末に米雇用統計が控えているなか、こうした綱引き状態が発生していることで、積極的な売買は手控えられよう。
本日の上値メドは、心理的な節目でもある133円00銭、下値メドは東京時間安値の132円18銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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