ドル円、リスクオフの巻き戻しで一時131円台後半へと急伸するも、リスクは依然ダウンサイドか(3/28朝)

27日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、リスクオフの巻き戻しで一時131円台後半へと急伸するも、リスクは依然ダウンサイドか(3/28朝)

ドル円、一時131円台後半へと急伸するも、リスクは依然ダウンサイドか

〇ドル円、リスクオフの巻き戻しに米国時間に131.77まで急伸
〇先週末のバイデン大統領の預金保険適用拡大の可能性示唆や、SVBバンクの買収合意がサポート
〇ユーロドル独IFO指数の強い結果、ECB関係者のタカ派姿勢とユーロ債利回り上昇に1.08まで上昇
〇ドル円、上方に複数のレジスタンス並び三役逆転も継続、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも世界的な金融システム不安の伝播リスクや米金融引き締め休止観測が重石
〇ドル円上昇一巡後の反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:130.25ー132.25

海外時間のレビュー

27日(月)のドル円相場は堅調な値動き。週明けオセアニア時間に、安値130.51まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)バイデン米大統領による前週末金曜日の「米銀行が今後さらに破綻する場合には米連邦預金保険が1口座当たり25万ドルの保護上限額を超えて適用される可能性がある」との発言や、(2)米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズによるシリコンバレー銀行の買収合意発表、(3)上記1、2を背景とした株式市場の持ち直し(リスクオフの巻き戻し→リスク選好の円売り再開)、(4)本邦輸入企業の実需のドル買い、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値131.77まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/28午前5時40分時点)では、131.57前後で推移しております。尚、昨日発表された米3月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲15.7、予想▲10.0)は市場予想を下回る冴えない結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。

27日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0745まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)ドイツ3月Ifo期待指数(結果91.2、予想88.3)の力強い結果(約1年ぶり高水準)や、(2)ドイツ連銀ナーゲル総裁による「量的引き締めを今夏から加速させるべき」「インフレは依然として高すぎる」とのタカ派的な発言、(3)シュナーベルECB専務理事が「さらなる利上げの可能性」という文言をECB声明文に明記するよう求めているとの観測報道、(4)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力(独10年債、仏10年債、伊10年債が軒並み上昇)、(5)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0800まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/28午前5時40分時点)では、1.0799前後で推移しております。尚、昨日はドイツの空港・バス・鉄道の一斉ストライキ発生が報じられましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は前週末金曜日(3/24)に記録した約1ヵ月半ぶり安値129.65をボトムに切り返すと、昨日は一時131.77まで急伸しました(リスクオフの巻き戻し→株式市場急反発→リスク選好の円売り再開)。但し、上方に複数のレジスタンスポイント(一目均衡表雲下限や転換線など)が並んでいることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が成立していること、ローソク足がボリンジャーミッドバンドの下側で推移していること、EMA(指数平滑移動平均線)ベースで弱気のパーフェクトオーダーが成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱い(ここからのさらなる上昇は容易では無く、一巡後の反落リスクに警戒が必要)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)世界的な金融システム不安の伝播リスク(第二のクレディスイスとして、ドイツ銀行やバークレイズ銀行、ソシエテジェネラルが狙われるシナリオ→この場合、震源地が米国、スイス、欧州、英国へと拡大することから、リスク回避局面での選好通貨が、消去法的に円に集中する公算大)や、(2)米FRBによる金融引き締め休止観測(米CMEが提供するFedWatchツールによると、次回5月FOMCでの25bp利上げ織り込み度合が47.3%であることに対して、据え置きの織り込み度合は52.7%)、(3)上記2を背景とした日米金利差縮小観測(円キャリートレード解消期待→米CFTCが3/24に発表した3/21時点のIMM通貨先物・非商業部門ポジションは円ショートが66345枚と依然として高水準→円ショートの大規模な解消余地あり)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米2月卸売在庫(21:30)や、米1月住宅価格指数(22:00)、米1月S&Pケースシラー住宅価格指数(22:00)、米3月リッチモンド連銀製造業指数(23:00)、米3月消費者信頼感指数(23:00)、米財務省5年債入札(02:00)などが予定されております。

本日の予想レンジ:130.25ー132.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、一時131円台後半へと急伸するも、リスクは依然ダウンサイドか

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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