米2月消費者物価指数(CPI)の予想
本日(14日)は注目の米国2月消費者物価指数(CPI)が公表されます。また、3月12日に米国とカナダが夏時間に移行したので、前回よりは1時間早く発表されます。
さて、前回1月は前年比ベースで予想より高い数値になりました。ドル円相場は発表前に132円絡みで推移していましたが、前月比が予想通りから瞬間131円52銭まで売られましたが、前年比の上昇に金利高・ドル買いとなり、133円32銭まで上昇し133円16銭で引けました。
その日以降も改善気味の経済指標やパウエルFRB議長のタカ派的議会発言で、先週8日に137円91銭の高値をつけています。しかしながら、金曜日以降、シリコンバレー銀行やシグネチャー銀行破綻による米金利の大幅低下にドル安となっています。NY株は銀行関連株が軒並み売られ、次の破綻先探しの動きも出ています。これにより一部ではFRBの引き締めからの金融政策転換の可能性ありとの見方も出ており、今日のCPIと明日の卸売物価指数の結果次第では大きな混乱に陥る可能性が出てきます。
今回2月CPIは前月比では概ね横這い程度の予想、前年比ではややインフレ低下の予想になっています。下図を見ると、前月比の(1)は移動平均線(オレンジ色)がやや右肩上がりになってきており、思うようにインフレが軟化していない様です。(2)はCPIコアとPCEコアの比較ですが、昨年12月時FRBの2023年12月時見通しはPCEコアで3.5%(緑)になっており、1月のPCEコアは4.7%でしたので、まだ高いことが解ります。
CPIコアとPCEコアの差は2022年で概ね1.2〜1.4%もありましたが、1月に関しては両者が0.9%まで縮まっています。インフレが安定していた2017年〜2021年は両者の差が0.2〜0.7%程度でしたので、この傾向に入り始めていれば、いずれインフレ低下になる可能性もあり得ます。微妙な時期に入っている様ですので、利上げを一気に行いインフレ沈静化を狙うのか、急激に変化した経済情勢に対応するのか、今日から始まるインフレ指標を見ながら、3月22日開催のFOMCは非常に重要となりそうです。特に今回FOMCはドットプロットが公表される予定ですので、年末から来年に向けた金利上限をどの様に予想しているのか注目されます。
消費者物価指数
2023年3月14日8時30分現在予想
(1)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
上記チャート(1)を見ると、オレンジ色の移動平均線はやや上向きに変わっています。コロナ前の2017年〜2020年のオレンジ色は0.05〜0.32%で推移していましたが、今回2月は予想通りなら0.32%となり、レンジ上限付近まで上がります。
下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=オレンジ色のPCEコア)、緑が2023年末のFRBのPCEコア見通しである3.5%です。オレンジ色がやや足踏みしている状況です。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、緑は202年12月時にFRBの2023年末PCEコア予想3.5%
青の矢印は今回予想値)
下図はドル円の日足チャートです。先週貿易収支時に添付したチャートの続きになります。前回は3月7日現在までのチャートでした。
昨年10月21日高値からの抵抗線Aは今年2月3日の大陽線で上抜けました。1月16日底値からのサポートB(=130円30銭)、そこから平行に上げたC(=134円70銭)とD(=137円95銭)でドル高トレンドを形成しています。丁度貿易収支の日(8日)に137円91銭の高値をつけて上ヒゲだけ少しDを越えましたが、引けではきっちりとD内に戻されています。結局ドル高トレンド上限で止まりました。
2月2日底値からのサポートE(=135円95銭)がありましたが、金曜日にまずこのEを切り、昨日はCも下抜きました。現状ではCが抵抗線になり、仮にCを越えて上ヒゲ作りでEまでの戻りの可能性も残していますが、暫くはドル高トレンド内での底値模索中であり、流れはB方向となっています。尚、Bまでの途中には132円30銭、131円40銭〜50銭、131円00銭、130円60銭〜70銭、そしてBの順にサポートがあります。
(3月14日10:45 1ドル=133円90銭)
オーダー/ポジション状況
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