ドルに続伸リスク、ただ調整にも要注意
〇本日ドル円、前日更新した年初来高値を再び更新、137.90レベルまで一気に値を上げ高値圏で推移
〇立憲民主党、次期日銀内田副総裁候補に反対の意向を示し話題に
〇本日ADP雇用統計発表予定、WSJ「政府統計より労働市場は大幅に減速」と報じ、統計内容要注視
〇ドル高円安方向、137.90が最初の抵抗。抜けると138.18がターゲット
〇ドル安円高方向、200日線をめぐる攻防に注目。NYクローズで上回れるかに注目
〇欧米時間のドル/円予想レンジ、136.70-138.10
<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場はドルが続伸。前日更新した年初来高値を再び更新するなど、ドルは高値圏で推移している。
ドル/円は137.15円レベルで寄り付いたのち、当初は上げ渋る展開。しかし、上抜けするとその勢いのまま137.90円レベルまで一気に値を上げている。夕方に掛け、利益確定売りなどに押され、若干値を崩すも底堅い。16時現在では137.65-70円で推移し欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策」と「中国情勢」について。
前者の米国は、注視されていた半期に1度の議会証言で、パウエルFRB議長が「利上げの到達水準は想定より高くなる可能性が高い」、「必要であれば利上げペース加速も」などと強気発言を連発。それを受け為替市場ではドル買いの動きが一気に強まると、対円では137円台乗せそして本日東京では137.90円レベルまで達する展開をたどっていた。一方、それとは別に日本は野党第一党の立憲民主党が次期日銀の正副総裁について、「植田新総裁と氷見野副総裁には賛成も、内田副総裁には反対の意向」を示したことが一部で話題に。
対して後者は、秦外相が北京で開会中の全人代に合わせて実施した記者会見が話題になっていた。「中国は一貫して世界平和の建設者だ」とまずは主張するなか、日本に対して「日本が中国を抑圧しようとする新冷戦に加わるなら、両国に新たな痛みをもたらすだろう」と威嚇。また、米国については「対中姿勢を変えなければ米国と必ず衝突と対立が起こる」、「台湾問題の解決は中国人民の問題であり、他国には干渉する権利はない」などとやはり強くけん制するコメントが発せられていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先週2日の137.10円が目先のドル高値になったと考えていたのだが、昨日同レベルを上抜け。その後もドルは続伸し、本日東京では138円に迫る局面も観測されていた。テクニカルに見た場合、ドルの上値を阻んできた移動平均の200日線を足もとザラ場ベースながら超えてくるなど、ドルの上値展望がさらに広がった。しかし、一連のドル高の起点を1月安値127.22円だとすれば、上げ幅はついに10円を超えてきた。一時的にせよ調整の動きも気になるところだ。
日米金融政策が引き続き市場の関心を集めるなか、前述したように昨日は半期に1度の議会証言でパウエルFRB議長から強気発言が相次ぎ、ドルの押し上げ要因に。基本的には昨日の発言を踏襲すると思われるが、パウエル議長の議会証言は本日も実施されるだけに、そちらには引き続き注意を払いたい。一方、それとは別に気になるのは発表される米雇用指標。本日は週末の米雇用統計の先行指標であるADP雇用統計が発表されるが、米紙WSJは「求人サイトが示唆、政府統計よりも労働市場は大幅に減速」などと報じている。指標内容で冷や水を浴びせられたりするようなら、ドルロングの巻き戻しが一気に加速しかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は移動平均の90日線に下支えされる反面、上値は200日線(本日137.40円前後)に抑えられる展開をたどってきたが、上方向の200日線を本日東京でいよいよ上抜けてきた。ただし、現状は飽くまでもザラ場ベースで上抜けたに過ぎず、油断は禁物だろう。このままNYクローズベースでもしっかりと上回れるか否かにもしっかりと注視しておきたいところだ。ちなみに、ザラ場ベースの上値メドは昨年12月15日高値の138.18円か。
本日は米経済指標として、2月のADP雇用統計や1月の貿易収支などが発表されるほか、米地区連銀報告の公表も予定されている。また米財務省による10年債の入札実施や、昨日の上院銀行委員会に続き、本日パウエルFRB議長は下院金融委で半期に1度の議会証言を行う予定。注目材料は本日も目白押しだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.70-138.10円。ドル高・円安方向は本日東京の137.90円が最初の抵抗。抜けると前述した138.18円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京で上回ってきた200日線をめぐる攻防に注目。ザラ場はもちろんのこと、NYクローズで上回れるか否かにも注目だ。下回ると137円前後が意識されそう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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