ドル円、年初来高値更新後に反落。本日は日米共に重要イベント目白押し
〇ドル円、米指標の好調と米長期金利上昇に135.37まで急伸後134円台後半に反落
〇米新規失業保険申請件数、シカゴ連銀全米活動指数、4QGDP価格指数がいずれも強い
〇ユーロドル、米長期金利上昇や1月欧州圏CPIの伸び率鈍化に1.0578まで下落
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上での推移続き、テクニカルの地合い強い
〇本日、本邦1月CPI、植田次期日銀総裁候補の衆院での所信聴取および質疑応答等要注視
〇本日の予想レンジ:133.75ー135.75
海外時間のレビュー
23日(木)のドル円相場は年初来高値更新後に反落。(1)米新規失業保険申請件数(結果19.2万件、予想20.0万件)の良好な結果や、(2)米1月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.23、予想▲0.25)の力強い結果、(3)米10ー12月期GDP価格指数(結果+4.3%、予想+3.9%)の伸び率加速、(4)上記1、2、3を背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは昨年11/10以来の高水準となる3.97%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、昨年12/20以来、約2ヵ月ぶり高値となる135.37まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)重要イベント(2/24に発表される本邦1月CPIや日銀正副総裁候補の所信聴取、米PCEデフレータなど)を控えたポジション調整や、(6)米主要株価指数の冴えない動き、(7)ロング勢のロスカット、(8)米金利低下に伴うドル売り再開が重石となり、米国時間午後にかけて、安値134.63まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/24午前3時15分現在)では、134.82前後で推移しております。
23日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0628まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(2/24はウクライナ侵攻から1年目となる節目→プーチン大統領による予期せぬ行動に対する警戒感)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)ユーロ圏1月消費者物価指数(結果+8.6%、前月+9.2%)の伸び率鈍化、(4)米経済指標の良好な結果、(5)ロンドンフィキシングに絡むユーロ売りが重石となり、米国時間午後にかけて、1/6以来、約1カ月半ぶり安値となる1.0578まで下落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/24午前3時15分現在)では、1.0582前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は年初来高値(135.37)更新後に反落する動きとなりましたが、ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、ダウ理論の下落トレンドが消失したこと、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表・三役好転の成立が秒読み段階に入ってきていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(下値余地は限定的)と判断できます。こうした中、本日は(1)日本時間8:30に予定されている本邦1月CPIや、(2)同9:30から始まる植田次期日銀総裁候補の衆院での所信聴取および質疑応答、(3)同13:00から始まる内田・氷見野両副総裁候補の衆院での所信聴取および質疑応答、(4)同22:30に予定されている米1月PCEデフレータ、(5)米当局者発言(ジェファーソンFRB理事講演、ボストン連銀コリンズ総裁講演、ウォラーFRB理事講演)に注目が集まります。
アジア時間帯は、上記1の本邦CPIの上振れリスクや、上記2、3の所信聴取および質疑応答での政策修正の思惑(※金融緩和が引き起こす副作用への対処としてYCCの許容変動幅拡大や完全撤廃、マイナス金利脱却、フォワードガイダンス修正、ETF買い入れ見通し、政府との共同声明、物価見通しの変更などに関する発言)の影響から、ドル円には終始下落圧力が加わり易い時間帯が続くと考えられます。一方、海外時間帯は、上記4のPCEデフレータの上振れリスクや、上記5の米当局者によるタカ派発言が見込まれることから、ドル高方向への揺り戻しが警戒されます。以上のことから、本日はアジア時間帯での急落、海外時間帯での急反発といった荒々しい値動きが想定されるため、ポジションサイズ管理に細心の注意が必要でしょう(乱高下の末、ドル高・円安方向に進んでいくシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:133.75ー135.75
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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