ドル円、米PPIの力強い結果を受けて一時上昇するも引けにかけて再び反落(2/17朝)

16日(木)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。

ドル円、米PPIの力強い結果を受けて一時上昇するも引けにかけて再び反落(2/17朝)

ドル円、米PPIの力強い結果を受けて一時上昇するも引けにかけて再び反落

〇ドル円、米1月PPI等の好調、FRB関係者のタカ派発言に、米国時間に高値134.49まで急伸
〇買い一巡後は伸び悩み、米国終盤は133.90前後まで値を崩す展開
〇ユーロドル、欧州朝方に高値1.0723まで上伸するも米長期金利上昇に一時1.0655まで下落
〇ドル円、テクニカルの地合い好転、1/6高値134.79を突破すると下落トレンド終了も
〇ファンダメンタルズも米金融引き締め長期化観測と日銀の金融緩和の早期修正観測後退がサポート
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:133.25ー135.00

海外時間のレビュー

16日(木)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。(1)急ピッチなドル買い・円売りの反動(利食い売り)や、(2)本邦輸出企業の実需のドル売り、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値133.60まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米新規失業保険申請件数(結果19.4万件、予想20.0万件)の良好な結果や、(5)米1月生産者物価指数(結果+6.0%、予想+5.4%、前回+6.2%、※前年比)および、(6)米1月生産者物価コア指数(結果+5.4%、予想+4.9%、前回5.8%、※前年比)の市場予想を上回る結果、(7)クリーブランド連銀メスター総裁による「金利は5%超の水準で暫くとどまる必要性がある」「前回のFOMCでは50bpの利上げでも説得力があった」とのタカ派的な発言、

(8)米長期金利の急上昇(米10年債利回りは昨年12/30以来の高水準となる3.86%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値134.49(1/6以来の高値圏)まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間2/17午前5時50分現在)では、133.90前後まで値を崩す展開となっております。尚、昨日はセントルイス連銀ブラード総裁からも「前回FOMCでは50bpの利上げを主張」「3月FOMCでの50bpの利上げを支持する可能性を排除しない」とのタカ派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となっております。

16日(木)のユーロドル相場は冴えない動き。欧州時間朝方にかけて、高値1.0723まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米新規失業保険申請件数の良好な結果や、(2)米1月生産者物価指数および、(3)米1月生産者物価コア指数の市場予想を上回る結果、(4)クリーブランド連銀メスター総裁によるタカ派的な発言、(5)上記1、2、3、4を背景とした米長期金利の急上昇が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0655まで下落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/17午前5時50分現在)では、1.0674前後で推移しております。尚、昨日はドイツ連銀ナーゲル総裁より「政策金利はまだ制限的な水準にはない」「早過ぎる金融緩和は誤り」とのタカ派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は米PPIの力強い結果や、クリーブランド連銀メスター総裁によるタカ派的な発言を受けて、一時134.49(約1カ月半ぶり高値圏)まで急伸しました(引けにかけて反落するも下値は堅い)。この間、ローソク足が主要レジスタンスポイントを次々に突破した他、ローソク足がボリンジャーバンド上限に沿って上昇し続ける強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転が確認されます。市場参加者に意識されている1/6高値134.79を突破できれば、約4ヵ月に亘り続いた下落トレンドの終焉(ダウ理論の下落トレンド崩壊)が実現するため、ドル高・円安の流れに拍車がかかるシナリオが警戒されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(米CPIに続き昨日発表された米PPIも市場予想を上回る結果→米当局者からもタカ派的な発言が相次ぐ展開→米金利先物市場は3月、5月、6月の連続利上げを織り込む動き→米金利急上昇→米ドル買い)や、(2)日銀による金融緩和の早期修正観測後退(植田次期総裁は当面の間、金融緩和を続ける公算大→対主要通貨での円売り安心感)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待など、ドル円相場のアップサイドリスクを連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米1月輸出入物価指数や米1月景気先行指数、リッチモンド連銀バーキン総裁講演やボウマンFRB理事講演に注目が集まります(1/6高値134.79を試すシナリオを引き続き想定)。

本日の予想レンジ:133.25ー135.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米PPIの力強い結果を受けて一時上昇するも引けにかけて再び反落

ドル円日足

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