ドル円、米金利先高観を背景に心理的節目134円の大台回復。続伸リスクに要警戒(2/16朝)

15日(水)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、米金利先高観を背景に心理的節目134円の大台回復。続伸リスクに要警戒(2/16朝)

ドル円、米金利先高観を背景に心理的節目134円の大台回復。続伸リスクに要警戒

〇ドル円、前日の米CPIに続き米1月小売売上高やNY連銀景況指数の好調等に134.36まで上昇
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言、欧州圏の指標不冴えに一時1.0661まで下落
〇ドル円、一目均衡表「雲」下限の上抜けに成功、テクニカルの地合い好転
〇ファンダメンタルズも米金利先高観再燃とバランス派の植田氏の日銀総裁就任がドル円をサポート
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:133.25ー135.25

海外時間のレビュー

15日(水)のドル円相場は堅調な値動き。(1)急ピッチなドル高・円安の反動売りを背景、アジア時間朝方にかけて、安値132.55まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)米金利先高観に伴うドル買い・円売り(前日発表された米CPIが市場予想を上回ったことで米FRBによる金融引き締め長期化観測が一段と高まる展開→米長期金利急上昇)や、(2)日米名目金利差拡大に着目した円キャリートレード再開の思惑、(3)一目均衡表雲下限突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り、(4)米1月小売売上高(結果+3.0%、予想+2.0%、※前月比)および、(5)米1月小売売上高/除自動車(結果+2.3%、予想+0.9%、※前月比)の力強い結果、(6)米2月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果▲5.8、予想▲18.0)の予想比改善、(7)米2月NAHB住宅市場指数(結果42、予想37)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、約1カ月半ぶり高値となる134.36まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/16午前5時20分現在)では、134.18前後で推移しております。

15日(水)のユーロドル相場は一段安。アジア時間朝方にかけて、高値1.0745まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)スペイン中銀デコス総裁による「ユーロ圏のインフレ率はこれまでの想定よりも早く低下する可能性がある」とのハト派的な発言、(3)ユーロ圏12月鉱工業生産(結果▲1.7%、予想▲0.7%、※前年比)の冴えない結果、(4)ユーロ圏12月貿易収支(結果▲181億ユーロ、予想▲159億ユーロ、前回▲144億ユーロ)の赤字幅拡大、(5)米経済指標(米1月小売売上高、米2月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米2月NAHB住宅市場指数)の力強い結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0661まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは弱く、本稿執筆時点(日本時間2/16午前5時20分現在)では、1.0682前後で推移しております。尚、昨日はラガルドECB総裁より「3月理事会で50bpの利上げを実施する見込み」「基調的なインフレ率は依然として高い」とのタカ派的な発言が見られましたが、ユーロドルの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は1/16に記録した約8ヵ月ぶり安値127.22をボトムに反発に転じると、昨日は約1カ月半ぶり高値となる134.36まで急伸しました。ローソク足が市場参加者に意識されていた一目均衡表雲下限の上抜けに成功した他、1時間足や4時間足などの下位足で強い買いシグナルが点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。目先は、1/6高値134.79を上抜けられるか否かに注目が集まります。同水準を突破できれば、ダウ理論の下落トレンド終焉が決定的となるため、ドル高・円安の流れに拍車がかかるシナリオが警戒されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(従来は、3月および5月の25bp利上げを以って利上げサイクルが打ち止めされるとの見方が強かったが、ここ最近の米経済指標の結果を受けて、6月にも追加で25bpの利上げが行われるとの見方が台頭→米金利急上昇→米ドル買い)や、(2)日銀による金融緩和修正期待の後退(年内修正観測は依然として燻っているものの、バランス派の植田氏が就任早々にサプライズを打ち出してくる可能性は乏しいとの見方→円売り安心感)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大観測とそれに伴う円キャリートレード再開)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日も米経済イベント(米1月住宅着工件数、米1月建設許可件数、米2月フィラデルフィア連銀景況指数、米1月生産者物価指数、米新規失業保険申請件数)や、米当局者発言(クリーブランド連銀メスター総裁講演、セントルイス連銀ブラード総裁講演)が目白押しとなるため、海外時間帯のボラティリティ拡大に注意が必要でしょう(状況次第では最後の砦として意識されている1/6高値134.79を試すシナリオも想定)。

本日の予想レンジ:133.25ー135.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米金利先高観を背景に心理的節目134円の大台回復。続伸リスクに要警戒

ドル円日足

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