ドル円、乱高下しつつも方向感に欠ける展開。130ー132レンジが継続中
〇ドル円、米長期金利の急低下等に米国時間朝方に130.35まで急落後131円台半ばに反発
〇ユーロドル、1.07台でふれを伴いながらも方向感に欠ける動き
〇ドル円、日米のファンダメンタルズの不透明感の強さがボラティリティ拡大の背景
〇一方でテクニカルには上方向から「雲」垂れ下がり上値余地は乏しいか
〇本日の予想レンジ:130.50ー132.00
海外時間のレビュー
9日(木)のドル円相場は乱高下しつつも方向感を見出しづらい展開。(1)複数の米当局者による前日のタカ派発言(ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、クックFRB理事、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁、ウォラーFRB理事)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが1/6以来の高水準となる3.69%へ急上昇)、(3)ドル円ショート勢のロスカットが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値131.82まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)某通信社による「日銀総裁人事、アベノミクス転換示唆なら調整難航も」「白川体制支えた山口元副総裁なら党内まとまらない」とのヘッドラインに勘違いして反応したアルゴ勢のドル売り・円買い(真偽は不明ながらもAIが上記ヘッドラインを「次期総裁がタカ派の山口元副総裁に決まった」と勘違いして反応したとの見方が優勢)や、
(5)米新規失業保険申請件数(結果19.6万件、予想19.0万件)の冴えない結果、(6)上記5を背景とした米長期金利の急低下(一時3.69%まで上昇していた米10年債利回りが3.57%まで急低下)、(7)ドル円ロング勢のストップSELLが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値130.35まで急落しました。もっとも、心理的節目130.00をバックに下げ渋ると、(8)短期筋のショートカバーや、(9)低調な米30年債入札結果、(10)米長期金利の反転・急上昇(米10年債利回りが3.57%から3.68%へ急上昇)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/10午前5時00分現在)では、131.57前後で推移しております。
9日(木)のユーロドル相場は振れを伴いつつも方向感を見出しづらい展開。(1)米当局者による前日のタカ派発言や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値1.0710まで下落しました。しかし、心理的節目1.0700をバックに下げ渋ると、(3)欧州株の堅調推移や、(4)米新規失業保険申請件数の冴えない動き、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0792まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)低調な米30年債入札結果や、(6)米長期金利の反転・急上昇が重石となり、本稿執筆時点(日本時間2/10午前5時00現在)では、1.0737前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ1月消費者物価指数速報値(結果+8.7%、予想+8.9%、※前年比)および、ドイツ1月調和消費物価指数速報値(結果+9.2%、予想+10.0%、※前年比)は市場予想を下回る結果となりましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は乱高下しつつも方向感を見出しづらい時間帯が続いております。昨日も131.82から130.35まで急落した後に、再び131円台半ばへと急反発するなど、荒々しい値動きが見られました。日米共にファンダメンタルズ的な不透明感(米国側は金融政策の先行き不透明感、日本側は日銀人事の先行き不透明感)を抱えていることがボラティリティ拡大の背景と考えられます。チャート的には、アップサイドより分厚い雲が垂れ下がってくるため、上値余地は乏しいように感じられます(132円台からは戻り売り圧力が強まる公算大)。
また、市場の焦点が来週2/14に発表される米1月消費者物価指数と、来週国会に提出される予定の日銀総裁・副総裁人事に移っていることを考慮すれば、132円台に乗せてどんどん上昇し続ける展開も想定しづらい状況です。従って、本日も、130.00ー132.00をコアレンジに、上下動が続く展開をメインシナリオとして予想いたします(特に足元は日銀人事に関するヘッドラインに市場が神経質に反応する傾向があるため、新聞社や通信社による観測記事に要注意)。尚、本日は5・10日仲値や、米2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、ウォラーFRB理事講演、米1月財政収支、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁講演などに注目が集まります。
本日の予想レンジ:130.50ー132.00
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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