ドル円、下落後に持ち直すも方向感定まらず。市場は早くも来週の米CPIおよび日銀人事待ち(2/9朝)

8日(水)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、下落後に持ち直すも方向感定まらず。市場は早くも来週の米CPIおよび日銀人事待ち(2/9朝)

下落後に持ち直すも方向感定まらず。市場は早くも来週の米CPIおよび日銀人事待ち

〇ドル円、FRB議長のハト派的発言が改めて意識されたこと等から欧州時間朝方にかけ130.60まで下落
〇その後、NY連銀総裁やFRB理事によるタカ派的発言等から米国勢参入後131.54まで反発
〇ユーロドル、1.0761まで上昇後1.0713まで反落、欧州当局者のタカ派的発言の影響は限定的
〇市場の注目は、2/14発表の米1月消費者物価指数、来週国会に提出予定の日銀総裁・副総裁人事へ
〇これらの結果判明までは130.00ー132.00をコアレンジとした上下動が継続か

海外時間のレビュー

8日(水)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)日本時間早朝に発表されたパウエルFRB議長による「商品部門でディスインフレのプロセスが見られる。また、住宅サービス部門でもディスインフレが始まると予想している」とのハト派発言が改めて意識されたことや、(2)上記1を背景とした米金利の低下圧力、(3)ドル円ロング勢のポジション調整が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値130.60まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「状況変化すれば25bpより大きな利上げも可能」「5.00ー5.25%のターミナルレートは依然として妥当な見解」とのタカ派的な発言や、(5)クックFRB理事による「インフレは依然として高すぎる」とのタカ派的な発言、(6)米12月卸売売上高(結果±0.0%、予想▲0.2%、※前月比)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国勢参入後に、高値131.54まで反発しました。

その後も、(7)ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「リセッションを引き起こしたくはないが、我々にはやるべきことがまだある」とのタカ派的な発言や、(8)ウォラーFRB理事による「インフレは依然として非常に高いため、さらに多くのことを行う必要がある」「しばらくの間、金融引き締め政策を維持する必要がある」とのタカ派的な発言が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間2/9午前5時20分現在)においても、131.38前後での底堅い動きが続いております。

8日(水)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)日本時間早朝に発表されたパウエルFRB議長のハト派発言が改めて意識されたことや、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州勢参入後に、高値1.0761まで上昇しました。しかし、前日高値1.0766をバックに伸び悩むと、(4)米当局者による相次ぐタカ派発言や、(5)米金利上昇に伴うドル買い再開、(6)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(7)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0713まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/9午前5時20現在)においても、1.0714前後での上値の重い展開が続いております。尚、昨日はオランダ中銀クノット総裁による「5月に50bpの利上げが必要になる可能性がある」とのタカ派的な発言や、ラトビア中銀カザークス総裁による「3月以降の利上げを休止または停止する理由はない」とのタカ派的な発言が見られましたが、ユーロ買いでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ここ数日間のドル円相場を振り返ると、まず、2/3に発表された米1月雇用統計がポジティブサプライズとなったことで、米FRBによる金融引き締め長期化観測が再浮上し、対主要通貨でのドル買いが強まりました。また、2/5に発表された日本経済新聞社による「日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診。政府・与党が最終調整」との観測報道も、黒田総裁が進めてきた金融緩和路線の継続を想起させる形で、円売りを促しました。結果として、ドル買い・円売りが活発化し、ドル円は週明け2/6に、約1ヵ月ぶり高値となる132.90まで急伸しました。しかし、2/7に発表されたパウエルFRB議長によるワシントン経済クラブでの発言がややハト派的に映ったことや、鈴木財務相をはじめ政府関係者が相次いで雨宮氏の次期総裁就任観測を否定したため、ドル円は132.90から130.48まで急落する「往って来い」相場となりました。その後再び131円台半ばへと値を戻しているものの、先週末以降の上げ幅は帳消しとなっているため、ドル円は早くも迷走状態に陥りつつあると判断できます(新規材料待ち)。

こうした中、市場の注目は、来週2/14に発表される米1月消費者物価指数と、来週(日程未定)国会に提出される予定の日銀総裁・副総裁人事に移っています。従って、これらの結果が明らかとなるまでは、ロング勢、ショート勢共に積極的には動きづらく、しばらくの間は、130.00ー132.00をコアレンジとした上下動が続きそうです。尚、本日は米新規失業保険申請件数や米30年債入札以外に目立ったイベントが予定されていないため、ドル円は一段と膠着感を強めると予想いたします。

本日の予想レンジ:130.50ー132.00

注:ポイント要約は編集部

下落後に持ち直すも方向感定まらず。市場は早くも来週の米CPIおよび日銀人事待ち

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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