ドル円、米金利上昇と日銀次期総裁人事報道を背景に約1ヵ月ぶり高値圏へ急伸(2/7朝)

週明け6日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、米金利上昇と日銀次期総裁人事報道を背景に約1ヵ月ぶり高値圏へ急伸(2/7朝)

ドル円、米金利上昇と日銀次期総裁人事報道を背景に約1ヵ月ぶり高値圏へ急伸

〇ドル円、欧州時間朝方に131円台半ばまで反落するも米長期金利上昇に132.90まで急伸
〇ユーロドル、12月ユーロ圏小売売上高の不冴え等背景に米国時間に1.0710まで急落
〇ドル円、21日線等主要テクニカルポイント上抜け、地合い好転
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測の後退がドル円をサポート
〇ここから急ピッチに上がっていく展開は想定しづらいものの、「じり高の相場展開」が短期的に続くか
〇本日の予想レンジ:132.00ー133.25

海外時間のレビュー

週明け6日(月)のドル円相場は堅調な値動き。(1)先週末金曜日に発表された米1月非農業部門雇用者数(結果51.7万人、予想19.0万人)のポジティブサプライズや、(2)米1月失業率(結果3.4%、予想3.6%)の良好な結果、(3)米1月ISM非製造業景況指数(結果55.2、予想50.4)の力強い結果、(4)上記1、2、3を背景とした米長期金利の急上昇(米ドル独歩高)、(5)日本経済新聞社による「日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診。政府・与党が最終調整」との週末のサプライズ報道が支援材料となり、週明け早々に、窓を開けて、一時132.55まで急伸しました(前週末終値は131.17)。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(6)ロング勢の利食い売りや、(7)鈴木財務相や磯崎官房副長官、茂木自民党幹事長や梶山自民幹事長代行など政府関係者による相次ぐ上記5の否定発言が重石となり、欧州時間朝方にかけて、131円台半ばまで反落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(8)米長期金利の一段の上昇(米10年債利回りは2/2に記録した3.33%をボトムに反転すると昨日は一時3.64%まで急上昇)や、(9)上記8を背景とした仕掛け的なドル買い・円売り(ドル円ショート勢のストップBUY)が支援材料となり、米国時間にかけて、1/6以来、約1ヵ月ぶり高値となる132.90まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/7午前5時00分現在)では、132.54前後で推移しております。

週明け6日(月)のユーロドル相場は大幅下落。(1)前週木曜日に開催されたECB理事会およびラガルド総裁記者会見のハト派的な内容や、(2)前週末金曜日に発表された米経済指標(米1月非農業部門雇用者数、米1月失業率、米1月ISM非製造業景況指数)のポジティブサプライズ、(3)上記1を背景とした米長期金利の急上昇、(4)心理的節目1.0800割れを狙った仕掛け的なユーロ売り・ドル買い、(5)ユーロ圏12月小売売上高(結果▲2.7%、予想▲2.5%、※前月比)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間午後にかけて、1/9以来、約1ヵ月ぶり安値となる1.0710まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/7午前5時00分現在)では、1.0728前後で推移しております。尚、昨日はオーストリア中銀ホルツマン総裁による「過度な利上げのリスクより利上げが不十分になるリスクのほうが依然大きい」とのタカ派的な発言や、スロベニア中銀バスレ総裁による「インフレ鈍化でもECBの利上げサイクルは終了から程遠い」とのタカ派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は1/16に記録した直近安値127.22をボトムに反発に転じると、昨日は約1ヵ月ぶり高値となる132.90まで急伸しました。ローソク足(日足)が一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜けした他、遅行線の26日前のローソク足接触を経て強い売りシグナルを示唆する三役逆転も消失するなど、テクニカル的に見て、地合いの「好転」を印象付けるチャート形状となりつつあります。また、ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによる利上げ長期化観測の再浮上(※先週末に発表された米経済指標が予想外に強かったことが理由)や、日銀による金融緩和の修正観測の後退(※次期総裁として雨宮氏の名前が挙がったことが理由)、上記を背景とした日米金利差縮小観測の後退(円キャリートレード再開期待)など、ドル買い・円売りを連想させる材料が確認できます。

上方より分厚い雲が垂れ下がってくることや、ダウ理論の下落トレンドが成立していること(ダウ理論的には1/6高値134.79を上抜けしない限り下落トレンド継続)等を踏まえると、ここから急ピッチに上がっていく展開は想定しづらいものの、ドル円ショート勢をキリキリと苦しめるような「じり高の相場展開」が短期的に続くと見ています。以上を踏まえ、当方では、中長期的なドル円ベア見通しを維持しつつも、短期的なブル見通しをメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米12月貿易収支や、パウエルFRB議長インタビュー(ワシントン経済クラブ)、米3年債入札、バーFRB副議長講演などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:132.00ー133.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米金利上昇と日銀次期総裁人事報道を背景に約1ヵ月ぶり高値圏へ急伸

ドル円日足

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